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【雑感】オーディオブックと朗読

『書くことについて』によると、スティーブン・キングの息子さん(作家)は子どものころ、父親から小遣いをもらって、小説の朗読をテープに吹き込んでいたそうだ。60分テープ1本9ドル。

父親はそれを運転しながら聴く。

教育のためではないと言っていたそうたが、子どもは読み書きのスキルは向上するし、小遣い稼ぎになるし、本人は運転しながら本が読める。一石三鳥だ。

昔は朗読を仕事にしていた人もいたようだ。本を読むより人の声で聴きたい人や、さまざまな理由で読めない人も多かったからだ。

私も子どものころ、病院で点滴をしている時に、母に本を読んでもらった思い出がある。

しかし読み上げ機能やオーディオブックがあれば、もう誰かに読んでもらう必要はない。

何かが生まれ、普及するということは、何かが消えて、それがあったことすら忘れ去られる、ということだ。

こうして時おり何かのはずみにふと思い出される場合を除いて。

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