民族的怠慢【名詞句】 heel of one's hand
竜王の生まれ変わりとされる主人公ランドが瀕死の重症を負い、僧侶系の魔法使いサミツが治癒している間、恋人のミンが涙をぬぐっている場面である。
これはうかつだった。誰がって、我々日本人がだ。
日本には heel of one's hand 、つまり手のひらの付け根に当たる部分を示す名称がないのだ。開発しなかったのだ。必要としなかったのだ。否、これは民族的怠慢である(?)。
掌底という言葉はあるが(中国語由来かは不明)、武道で使うものであって、普段使いするものではなく、ましてや涙を拭くためのものではない(なお掌底について「手のひら」という説明が多いが、「日本語表現インフォ」の「手のひらの下の部分で、拳を作ったときに指で隠れない部分」という説明が一番正確だと思う)。
仕方がないので、上の拙訳では無理やり「てかかと(手踵)」という造語を入れた。これを機に、わが民族がこれまでの怠慢を猛省し、この言葉を普及定着させてゆかんことを切に願うものである(誰だお前は)。
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