知恵も勇気も力もなくてもサバイバーになる方法【名詞】survivor (ジェーン・オースティン『高慢と偏見』)
英文学最高峰のマッチング小説より。ベネット夫人は、地所の相続権を持つ親戚の男と娘を結婚させようとしていたが、その計画は頓挫し、夫の死後、娘たちともども路頭に迷うことになるのを憂いているところへ、ベネット氏がなぐさめの?言葉をかける。
この、トボけた皮肉屋のお父さんがいい味を出している。この小説でいちばん好きなキャラクターだ。日本でドラマ化するなら、今なら佐々木蔵之介さんとかかな。ナイツの塙さんとかもよさそうだ。
ヒロインのエリザベスはキーラ・ナイトレイが演じたのか。日本なら綾瀬はるかさんとかかなぁ。
さて Survivor といえばロッキーのテーマソング(注1)だ。
あるいは『エイリアン』のリプリーでも、『ターミネーター』のサラ・コナーでもいいが、サバイバーといえば、全滅してもおかしくない過酷な状況でただひとり生き残ったもののことだ、と思っていた。
アクション映画やホラー映画、SF映画につきものの単語だと思っていたのだ。
私が「サバイバル」という言葉を覚えたのも、たしか太平洋戦争のサバイバー・横井庄一さんがらみのテレビ番組だったと記憶している。
しかし今回調べてみると、「遺族」という意味もあったのね。つまり survive は単に「(他の人より)長生きする」という意味でもあるわけだ。
危険をかいくぐらなくても、なんの努力もしなくても、智慧も勇気もなくても、他の人がみんな死んでしまえば、サバイバーになれるのである。
「遺族」と「生還者」、この日本語ではまったく違う2つの意味を持つ単語、それが survivor なのだ。
注1. 10億回以上再生されて、17万件のコメントが付いている。びびった。もはや世界遺産だ。