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わりと大人になるまで、「ゴッホ・ゴーギャン」って、ひとりの画家の名前だと思っていました【読書感想文】原田マハ『たゆたえども沈まず』
原田マハさん初読み。
Audible。
ポンポン本が出るので、勝手に粗製乱造の印象があったが、予想以上におもしろかった。
ツボをわきまえてらっしゃる。
有名な数々の絵画の制作過程を読みながら、ネットで実際にその絵を見て確認する、という作業が楽しい。
どこまで史実なのか、どこまで著者のバイアスがかかっているのかもよく分からないが、画家の評伝や絵画の解説本を読むよりおもしろい。
つまりそういう、アートファンより、小説を読みながらアートも学べてお得だと思う私のような人たちに訴求するジャンルなのだろうか。
「アート小説」で検索すると、出てくるのはほとんど原田さんの小説だ。競合他者がいないのが不思議だ。私が知らないだけだろうか。ジャンル自体が新興なのだろうか。
ネタは尽きないだろうから、なかなかの金脈だ。
SFファンとしては、H・R・ギーガーを主人公にした『あなたの悲鳴は誰にも聞こえない』とか、読んでみたい。無理か。
89点。