アルタニアンのダルタニアン(『三銃士』アレクサンドル・デュマ)
『三銃士』の原書より。前書きを読んでいておどろいた。
ダルタニアンは d'Artagnan だったのだ。
「ダ」の d は前置詞の de だったのだ。
ダルタニアンは、南仏にある地名「アルタニアンの」という意味だったのだ。
「銃士ダルタニアン」といえば聞こえはいいが、いわば「東京もん」とか「関西人」などと言っているようなものだ。
つまり例えば「私は秋田出身の己斐です」をフランス語で言うと Je suis Kohi d'Akita. (秋田の己斐)で、人からは「ダキタ」(秋田から来たやつ)と呼ばれる、というようなものだ。どこだよダキタって。
大阪の和泉市出身なら d'Izumi d'Osaka「ディズミドサカ」である。だからどこだそれは。
「尾張の織田家家臣明智光秀が裏切った日」は、le date d'uragiri d'Akechi d'Oda d'Owari 「ルダトゥドゥラギリダケチドダドワリ」である。だからなんだそれは。