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夫によって夫を生み、子によって子を生む(ソフォクレス『オイディプス王』)

Elle gémit sur la couche" où, misérable, elle enfanta un époux de son époux et des enfants de ses enfants! (p.53)
またあのかたは、結婚の臥床をお敷きになりました。そこで 不幸にも、夫によって夫を生み、子によって子を生み、かくて二重の母となられたその臥床を─(p.95)

やっとたどり着いた『オイディプス王』クライマックスより。

息子を夫としていた事実を知り、絶望するイオカステ。

頭の中で家系図を描こうとするとこんがらがるのだが、「夫によって夫を生み、子によって子を生み」とはよく言ったもの。この悲劇のエッセンスがこの一行に凝集されている。

フランス語も分かりやすいが、和訳も見事だ。

それにしてもさすが古典、装丁の多彩さに驚いた。

上にあげたのは大好きなフランシス・ベーコンの絵があしらわれたものだが、初めて見る絵だ。オイディプスを描くのに、名前の由来となった足の怪我をモチーフにするのもめずらしい。とんだ拾い物だ。

他にも、これなどはエロチックだし、

これなんかだいぶ悩んでるし、

こっちはスフィンクスをあしらっていて、ウィリアム・ブレイクっぽいけど、画像検索では誰の絵かわからなかった。

盲目をモチーフにしているものがやはり多くて、どれも痛々しい。

岩波文庫版のスフィンクスがちっちゃいっていう話は以前書いたけど、

海外でもやはりイヌくらいの大きさのイメージなんだろうか、

と思ったら、だいぶ下の方にあった。

これこれ!

このゾウくらいの大きさのスフィンクス、人間くらいパクリと一呑みにしてしまいそうな、これが私のイメージだ。アドベンチャーゲームみたいでわくわくする。

そこで、「ティラノサウルスくらいの大きさのスフィンクスを描いて」ってAIに頼んだら、すごいスペクタクルなのを描いてくれたのが今回の画像。

こういうのけっこう好き。

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