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#毎週ショートショートnote

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#毎週ショートショートnote 参加作品をまとめています。
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#小説

台にアニバーサリー #毎週ショートショートnote

台にアニバーサリー #毎週ショートショートnote

 その詩があまりにも素敵で、私は思わず、教科書ごと抱きしめてしまった。
 作者は、俵万智さんというらしい。なんでもない一日が記念日に変わったその瞬間、世界がぱぁっと輝いた気がした。

「そうだ、私も、作ろう! 記念日!」

 目についたのは、いつも勉強机の代わりに使っているちゃぶ台。そうだ、「台」の記念日にしよう!

 そう思い立った私は、日頃の感謝を込めて、家中の台という台をピカピカにすることに

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秋の空時計 #毎週ショートショートnote

秋の空時計 #毎週ショートショートnote

「こら! 窓の外ばっかり見てないで、授業に集中!」
 出席簿でバシッと頭を叩かれた俺は、「すみません」と頭を下げて、前を向き直した。もう一度、ちらりと窓の外に目をやると、宙に浮かぶ半透明の巨大な砂時計が時を刻み続けていた。

 三年前の夏。ある日突然、その砂時計は姿を現した。当時は空前絶後の大騒動となり、付近に住む住民の避難や自衛隊の出動など、非日常の光景が繰り広げられた。
 その後、砂時計の謎は

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なるべく動物園 #毎週ショートショートnote

なるべく動物園 #毎週ショートショートnote

 親たちの言い合いが聞こえてきて、僕はおもちゃを手にしたままひっそりと息を潜め、耳を澄ました。
「仕事ばっかりじゃあの子達が……」
 いつもの通り、お母さんがお父さんに小言を言っているようだ。
「わかってるさ、次の日曜はなるべく動物園にでも……」
 動物園!その単語を耳にして、僕は踊る心を抑えるのに必死だった。僕は眼の前でお人形遊びをしている妹にも教えてあげなければ、という使命感に燃えた。

 僕

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半笑いのポッキーゲーム #毎週ショートショートnote

半笑いのポッキーゲーム #毎週ショートショートnote

「今日こそアイツとキスしますわよ!」
 有栖川小春は、執事に向かって、もう何度目かもわからない宣言をした。
「お嬢様、こちらをお持ちください」
 執事のセバスチャンがそう言って差し出したのは、ポッキーだ。
「市井で人気の菓子にございます。これがあれば、お嬢様の目的も今日こそ達成できましょう」
「セバス、でかしたわ!」

 小春は、渡された菓子を手に学校へ行く。
 昼休み、食後の時間。鞄からポッキー

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金持ち教習所 #毎週ショートショートnote

金持ち教習所 #毎週ショートショートnote

「ではこの、"誰でも安心絶対金持ちプラン"でお願いします!」

 この教習所を卒業すれば、誰しもが億万長者になれる。そう聞いた俺は、この3年間、寝る間も惜しんでバイトの日々を繰り返した。絶対お金持ちになれるということなのだから、法外な教習料500万円も仕方のないことだろう。そう思い、とにかく努力した。
 そしてとうとう必要な金額に到達し、入所がかなったのだ。
 今日は教習初日。あぁ、もうすぐ俺も金

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ダウンロードファーストクラス #毎週ショートショートnote

ダウンロードファーストクラス #毎週ショートショートnote

 風邪を引いて寝込んでいた俺のもとに、同じ大学に通う友人のテツから、リンクが送られてきた。見慣れたアップローダーのリンクだ。
 テツとは、大学1年のときに出会って以来すっかり意気投合し、度々「お宝動画」をやり取りしてきた。今日も俺を元気づけるために送ってくれたのだろう。具合は悪くても、己の色欲には抗えない、そんな俺の性格をしっているからこその行動だ。全くいいやつだ。今度メシでも奢ってやるか。

 

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ヘルプ商店街 #毎週ショートショートnote

ヘルプ商店街 #毎週ショートショートnote

 小説家の私は、今日も話の種を求めて、知らない街をぶらりと歩いていた。視界の先に、アーケードの屋根が見えた。商店街があるようだ。

「安いよ安いよ!」

 威勢のいい声が聞こえる。商売上手そうな声の主は、魚屋であろうか。不思議と懐かしさを覚えながら、近づいてみる。

「らっしゃい!ヘアカット千円だよ!」

 床屋だった。ねじりはちまきに防水エプロンという、どうみても魚屋らしき風貌の男性が、床屋で客

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ネコクインテット #毎週ショートショートnote

ネコクインテット #毎週ショートショートnote

 その大猫は、負け知らずだった。大きな身体から、低くしゃがれた声で威嚇を繰り出せば、近づくものは誰もいなかった。
 ある日、大猫がいつものように縄張りを見回っていると、見慣れない四匹の旅猫が目についた。
「おい、俺の縄張りでなにしてやがる!」
 力強く鳴き声をあげた。いつもならその一声で、相手は一目散に逃げ出すはずなのだが、旅猫たちはそうではなかった。一瞬、驚いたような表情を見せたが、その顔色はす

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大増殖天使のキス #毎週ショートショートnote

大増殖天使のキス #毎週ショートショートnote

「神様ぁ! もう限界です! 早く増員してくださいよぉ!」
「まったく、やかましいのう」

 あまりの激務の連続に耐えかねた私は、天使業務の合間に、神様に文句を言いに来ていた。

「神界はどこも人員不足なんじゃ。わがままを言うでない」
「そんなこと言ったって、もう人間増えすぎて私一人じゃどうにもなりませんってば!」
「でも、お前ら新しく創るの大変なんじゃよなぁ。ほら、ワシってば、ゲームのキャラクリで

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失恋墓地 #毎週ショートショートnote

失恋墓地 #毎週ショートショートnote

『探さないでくれ』
 突拍子もないメッセージを受信したツバサはため息をついた。
「またか……どうせあそこだろうな」
 文句を口にしながら、大きなシャベルを手に家を出る。向かった先は墓場だ。

 ツバサは中に入り、立ち並ぶ墓石を一つ一つ確認しながら歩いた。
「坂口……坂谷……アキ。ここだな」
 探していた名前を見つけたツバサは、持ってきたシャベルで、墓石の前のまだ柔らかい地面を掘った。地面の下からは

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5次会疑似クラス招集 #毎週ショートショートnote

5次会疑似クラス招集 #毎週ショートショートnote

 次は5次会疑似クラス招集、か――

 今夜は10年ぶりの同窓会だった。楽しいひとときを過ごしたあと、「2次会行く人!」という声に、手を挙げて答えた途端、俺は謎の真っ白い部屋に移動していた。
 最初は、酔っ払いすぎたのかな、なんて思っていたが、周りを見渡せば他にも人がいる。一番近くにいた人に、ここはどこか、と訪ねたがその人もわからないようで、困惑するばかりだった。

 色々な人に話を聞いたところ、

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2次会デミグラスソース #毎週ショートショートnote

2次会デミグラスソース #毎週ショートショートnote

『おふくろの味ですか?2次会デミグラスソースのハンバーグですかねぇ』

 正月休みで久々に実家に帰省した僕は、居間でテレビを眺めていた。「あなたのおふくろの味は?」というテーマのインタビュー映像が流れている。ヘンテコな名前の料理が聞こえてきて、僕は画面に注目した。

『2次会デミグラスソース!定番ですよね』
 インタビュアー曰く、定番らしい。そんなわけないだろ、と思った僕は、台所に立っている母親に

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逆さ富士七転八倒 #毎週ショートショートnote

逆さ富士七転八倒 #毎週ショートショートnote

『続いてのコーナーはコチラ。逆さ富士七転八倒ショー!』
 聞き慣れない言葉が聞こえてきて、男はふと目が覚めた。
 正月休み、実家に帰省したものの、大してやることもなく、だらだらとテレビを垂れ流しにしながらウトウトしていた男は、安眠を妨げられたような気がして苛立ちを覚えながら画面に目をやった。

『現在、河口湖に来ております!逆さ富士七転八倒ショー、開始です!』
 画面に、富士山と湖が映し出される。

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