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『メダリスト』は、キャリアに悩むすべての大人に刺さる漫画だった

今回は今私がキャラクターとストーリーと内容の熱量にドハマりし、かつ、キャリアに悩める大人も読むべきだと感じるおすすめの漫画「メダリスト」についてお話しようと思います。

あらすじ(物語の導入部分ネタバレ注意)

5歳から始めるのが当たり前と言われるフィギュアスケート界で、とある金メダリストにあこがれて、中学生からスケートを始めた主人公の一人・元アイスダンス選手の司。
彼は自身に高い才能があったにも関わらず、大きなチャンスの時にそれを生かすことが出来ず、プロのスケート選手として活躍するという夢をあきらめきれないまま、フリーターとして生活していた。
しかし彼はかつてアイスダンスでコンビを組んでいた相棒からスケートのコーチに誘われ、同じタイミングで、スケートが大好きだけど親に反対されていることで習うことができない少女・いのりと出会う。
いのりは、独学でスケートを滑ることができるようになってはいるが、誰かに本格的に指導を受けているわけではない。
そんな彼女は、小学5年生で、本気でフィギュアスケート選手を目指すならばギリギリの年齢。
スタートが遅れている彼女の境遇に自分を重ねた司は、すぐにいのりに親を説得するように告げる。
その後いのりは、司がアシスタントコーチを務めることとなったクラブに両親と共にやってきて、彼女の滑りに高い可能性を見出した司の元で、フィギュアスケートの金メダリスト選手を目指すようになる。

この物語は、簡単に説明すると「フィギュアスケートの世界で挫折した元選手と、才能あふれる少女が出会い、夢を目指していく物語」です。
しかし、物語を読んだ人ならば「それだけじゃない!」と、漫画と同じ熱量で熱く語れるほどに、大人にも子どもにも刺さる人生における教訓的なメッセージが多く含まれているのです。

これは、夢を諦めない大人のための物語ではないかと、私は解釈しています。

その理由が、主人公の一人であるコーチの「司」先生。

彼は、中学生時代に偶然目にした伝説的な男子フィギュアスケート選手の演技に魅了され、自分も氷上で生きたいとフィギュアスケート選手を目指します。
また、彼にはフィギュアスケート選手として成功することが可能な、天才的な才能があらかじめ備わっていました。
(「一度見た動きを覚えることができる」「見た動きを再現できる」といった超能力的な能力)

けれども、はじめるのが遅すぎた(時間的な問題)・スケートを続けるお金がない(金銭的な理由)・誰も教えてくれる人がいない…これらの理由で、彼は物語開始時点で、才能はあれど、フィギュアスケート選手には慣れずに、なんとかアイスダンスの選手としてキャリアを変えて、氷上の世界にしがみついているという状況でした。

『才能があっても、結果を残せなければ意味がない』という意味合いの言葉が作中で何度か出てきますが、司先生はそれを象徴するキャラクターです。

ここがまず、何者にもなれないまま大人になってしまった、多くの人々の心に刺さるのです。

私たちも同じです。
何かの才能があっても、それで結果を残せなければ意味がない。
キツイ言い方ではあるのですが、その通りで……納得しかない。

また、司先生は元々フィギュアスケート選手を目指していたけれども、20歳でやっと出会えたコーチの言葉でアイスダンスの選手になりました。
その後、自身もコーチとなり……自分の夢(フィギュアスケート選手となって憧れの選手のように活躍すること)を諦めて、キャリアを変えています。

ただし彼は、教え子である天才的な力を持つ「いのりちゃん」を金メダリストにするため、全力でコーチとして活躍するのです。

自分の夢は諦めるけれども、その夢を教え子に託す……それはある意味、別の形で「フィギュアスケート選手として活躍する金メダリスト」という夢を叶えようとしていると、そう捉えることも出来ます。

私たち大人にも、まだ諦めきれない、子どもの頃に憧れた「夢」というものがあるかもしれない。
しかし、それを叶えるには、とくに大人に足りない「時間」……他にも様々な、叶えるのが難しい理由が立ちふさがっているでしょう。

そんな悩める私たちに、司先生の姿は希望を与えてくれます。
別の形で夢を叶えることも出来るのだ、と。

「メダリスト」について語ると、他にも魅力的な部分が多すぎてnote記事10本は書けてしまうのですが、今回は「キャリアに悩める大人に読んでもらいたい」をテーマに記事を書いているので、これくらいにして……

他にも、もう一人の主人公である「いのりちゃんん」の成長に涙したり、司先生と真逆の境遇(幼いころからスケートを習い・裕福で・銀メダリストの父親が指導者)でありながらも(だからこそ)壁にぶち当たって悩む「理凰くん」の話、いのりちゃんのライバルで天才的なスケーターの「光ちゃん」が抱える高い才能を持つ天才だからこその心の葛藤など、とにかく「全人類読んで」ってなる漫画です。

……。

まじめにまとめを書くと、司先生の生き方は、キャリアに悩む私たちに「別の道を見つけることもできる」という気づきを与えてくれます。
才能があっても報われないことがある、それでも道は一つではない──そんなリアルな人生の選択を描いた「メダリスト」は、ただのスポーツ漫画ではなく、働く大人にこそ刺さる物語です。

もし「今のキャリアに迷いがある」「昔の夢を諦めきれない」そんな気持ちがあるなら、一度読んでみてください。

きっと、何かしらのヒントが見つかるはずです!

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