【入社3か月で感じたこと】論点思考編
皆さま、ごきげんよう。
コンサル界のドブネズミことささもです。
なぜ最初にこのテーマを取り上げたかというと、弊僕がコンサル業界に入社して以降、最も「百聞は一見に如かず」だと感じた概念だからです。
とはいえ、皆さまに偉そうに講釈を垂れるつもりもありませんし、あくまで地の底で観測したことを言語化しているだけの内容になります。
似た境遇の方にとって、少しでも実りある果実となれば良いな、そんなレベルです。
そもそも論点思考とは何か?
結論から書くと、論考思考=解くべき問題を定義することです。
わかったようでわからない。文字面自体は特に違和感がないので、咀嚼できた気になります。
でも、言葉が上滑りしている気がするというか、そんな概念だと思います。今も含め高純度で理解できている気はしません。
学生時代に安宅和人さん著の『ISSUE DRIVEN』を読んだ時も同じ感想を抱きました。
わからないで終わらせると良くないので、日常生活で考えてみます。
唐突ですが皆さまがある日、「海のど真ん中で釣りをしてる時に体勢を崩してしまい、船から携帯を落としてしまった」としましょう。それだけで絶望ですが、今日はこの後友人と予定があり集合場所を伝える必要があります。
そんな時、皆さまならどうしますか?
まさか携帯を海の中から探そうとは思いませんよね?
港に戻った時に公衆電話を探したりとか、誰かに電話を借りるとかして友人と連絡を取るのではないでしょうか?
それは解決すべきことは「携帯を取り戻すこと」ではなく、「友人と連絡を取ること」だとわかっているからです。
平たく言えば、これも論点思考なのだと思っています。日常生活に例えるとわかりやすいですね。
なぜビジネスになると論点思考を見失うのか?
さて、本題です。先ほどの海ポチャ事件ではトゥイージーだった論点が、途端にビジネスになると見失ってしまうのでしょうか。
それは、「ビジネスでは解かなければいけない問題が複雑で、一見すると何が解くべき問題なのかわからないから」だと思います。
解かなければいけない問題は、日本有数企業が抱えている問題なのでその複雑さも海ポチャ事件の比ではありません。
そのため思考停止をして、「とりあえず網羅的に検討しよう」が出発点になることも少なくないんでしょうね。
このことをコンサル業界ではBoil the oceanというらしいです。
なぜ論点思考が必要なのか?
この問いに答えるためには、「コンサルタントは何のために存在するのか?」に立ち戻る必要があると思いました。
その答えを弊僕なりに言語化すると以下になります。
「クライアントが解けない問題を、期間内に解くこと」
当たり前ですが簡単に解けるような問題であれば、わざわざコンサルタントに頼んだりするわけもなく、目的を達成するには、膨大なインプットとアウトプットが必要になります。
そのためにクライアントは高額でもコンサルタントを雇っているのです。
弊僕もクライアントの期待に応えられるようにドブネズミながら身の丈に合わない馬車を引いているわけですが、プロジェクトには与えられた期間がある上に、残念ながら1日は24時間しかないのです。
そのため、「携帯を取り戻す必要がある」を前提にその手段を網羅的に検討するというタスクに落とし込んだ時点でゲームオーバーになってしまいます。その前に、「集合場所を伝えるには自分の携帯が必要か?」という論点を立てて、「携帯を取り戻す方法は検討する必要があるのか?」を見定める必要があります。
弊僕のようなスタッフクラスだと、上位者から与えらえれた大論点を、バクテリアの如く細かく分解していくのがロールになるでしょうか。
なので、レビュー段階でMup以上に論点を巻き取られてしまうとバリューゼロという気持ちになります。
社内でバリューゼロなのはもちろん辛いですが、クライアントにとってバリューゼロになった時は一番堪えます。
弊僕の場合、クライアントから「アンタらにいくら払ってると思ってんだ!」や「1日なにしてたんだ!」などご指摘いただいたこともあります。(今でもよくない思い出。。)
徹夜して頑張っても、休日を返上しても、バリューを出せなければただのゴミ。それも処分にコストがかかる産業廃棄物なのです。(現実は厳しい。。)
論点思考をどのように養うのか?
手段はいくつもあると思いますが、弊僕なりに実践しやすいものを2つ考えてみました。
1つ目は、「目標に対して平均的な達成時間の半分で達成できるよう意識する」です。日々の業務や資格勉強や読書、なんでもいいと思います。半分の時間で達成するためには、通常のやり方では到底無理です。なので、自然と目的達成に不要なことは見定める意識を持つというロジックです。
2つ目は、「インプットを頑張る」です。結局のところ筋がいい論点を短時間で導き出せるかは経験によるものが大きいと思います。なので、シンプルに引き出しを増やしていくことで精度を高めていきましょう。
Appendix. 論点思考が必要ないケース
弊僕の視点からは2つのケースを観測しています。
1つ目は、「よりよい手段を検討するよりも、網羅的にでも実行したほうがROI(費用対効果)が高いケース」です。要するにBoil the oceanした方が早い場合ということですね。
よくスタートアップ企業やホリエモンこと堀江貴文氏が発言されている多動力もその範疇だと思われます。
2つ目は、「上位者により既にタスクレベルまで分解されているケースですね。解くべき問題は既に定義されている」わけなので、後は粛々と処理するというフェーズですね。
これはコンサルでも起こり得ると思います。
たまにコンサル企業に勤務されてる方や出身者の方で、コンサルに論点思考は必要ないという方を見かけますが、おそらく上位者がタスクレベルまで分解していたからなのではないでしょうか?
個人的には論点を考えるのが楽しいので、上位者に巻き取られたくないな、なんて思ってます。
ちなみに、内田 和成さん著の『論点思考』は論点思考関連の書籍でわかりやすかったので読んでない方いたら是非。
考えるエンジンちゃんねるでおなじみ、元BCGの『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト』です。論点バカという表現でわかりやすく解説されています。
あと安宅 和人さん著の『ISSUE DRIVEN』も名著だと思いますので読んでない方は是非。
ということで、今回はこんな感じで終わろうと思います。
ありがとうございました。
◆読んでいただいた方へのお願い
・n=1の景色なので、あくまで参考程度に捉えてください。
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