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あなたに映画を愛しているとは言わせないなんて言わせない
2022年2月12日(土)に恵比寿映像祭で『映画愛の現在』三部作が上映される。「映画愛」と銘打ってはいるが、特定の「愛」のかたちを鑑賞者に押し付けることを意図したわけではない。むしろこの映画が訴えかけるのは次の一言だ。
「あなたに映画を愛しているとは言わせない」なんて、絶対に言わせない。
いびつな愛高校時代から個人制作の映画を撮り、作品論や作家論も書いてきたわたしにとって、映画を見ることはいつ
現時点プロジェクト『私はおぼえている』について
「特別ではない」「普通の」「ありふれた」「市井の」人々にこそ、ドキュメンタリーはカメラを向けるべきだという考え方がある。あるいは、何かしら「特別」な要素を持っている人物であっても、その人の「日常」や「普段」の姿を捉えなければならない、「素顔」や「人間」としての有り様を掘り下げなければならないという考え方がある。真摯で誠実で倫理的な態度のように思えるけれど、そこには大きな欺瞞もしくは矛盾がある。