佐々木友輔

映像作家/鳥取大学地域学部で教員をしています/揺動/風景論映画/ドキュメンタリー/鳥取の地域映画史と公共上映/🦀蟹/鴨🦆/アイコンは品岡トトリさんに描いていただきました。

佐々木友輔

映像作家/鳥取大学地域学部で教員をしています/揺動/風景論映画/ドキュメンタリー/鳥取の地域映画史と公共上映/🦀蟹/鴨🦆/アイコンは品岡トトリさんに描いていただきました。

マガジン

  • 地方映画史研究のための方法論

    鳥取の地方映画史に関する調査・研究に協力してくれる学生たちに向けて、押さえておくべき理論や方法論を共有しておきたいと考え、この原稿を書き始めた。杵島和泉さんと行っている研究会・読書会でレジュメをまとめ、それに加筆修正や微調整を加えて、このnoteに掲載している。

  • ミュージックビデオの身体論

    ミュージックビデオの身体論

  • 見る場所を見る──鳥取の映画文化リサーチプロジェクト

  • 映画愛の現在

  • 雑記

最近の記事

  • 固定された記事

ミュージックビデオの身体論⑩ボディジャンルとしてのミュージックビデオ

10. ボディジャンルとしてのミュージックビデオ 10-1. ボディジャンル映画研究者のリンダ・ウィリアムズは、物語よりも身体表象の過剰なスペクタクル性を打ち出し、とりわけ抑えられない感情や叫びといった恍惚(エクスタシー)的な表現を特徴とする映画ジャンルとして、①ホラー、②ポルノグラフィ、③メロドラマを挙げ、これらを「ボディジャンル Body Genre」と総称した。またこれらのジャンルは、スクリーン上に過剰な身体が映し出されるだけでなく、視聴者の身体(情動)に直接的に働きか

    • 地方映画史研究のための方法論(40)メディア論と映画①マーシャル・マクルーハンのメディア論

      見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉さ

      • 地方映画史研究のための方法論(39)雑誌メディア研究②佐藤卓己のメディア論的雑誌研究

        見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉

        • 地方映画史研究のための方法論(38)雑誌メディア研究①キャロリン・キッチ『雑誌のカバーガール』

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉

        • 固定された記事

        ミュージックビデオの身体論⑩ボディジャンルとしてのミュージックビデオ

        • 地方映画史研究のための方法論(40)メディア論と映画①マーシャル・マクルーハンのメディア論

        • 地方映画史研究のための方法論(39)雑誌メディア研究②佐藤卓己のメディア論的雑誌研究

        • 地方映画史研究のための方法論(38)雑誌メディア研究①キャロリン・キッチ『雑誌のカバーガール』

        マガジン

        • 地方映画史研究のための方法論
          40本
        • ミュージックビデオの身体論
          12本
        • 見る場所を見る──鳥取の映画文化リサーチプロジェクト
          46本
        • 映画愛の現在
          6本
        • 雑記
          3本
        • 映画による場所論
          3本

        記事

          地方映画史研究のための方法論(37)パラテクスト分析⑤アメリー・ヘイスティのデトリタス論

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト講座「映画を見た記憶、見逃した記憶──鳥取市民のメディア体験」 2024年9月22日(日)14:00-15:00、鳥取市歴史博物館(やまびこ館)が企画する「おうちだにアカデミー」の一環として、講座「映画を見た記憶、見逃した記憶──鳥取市民のメディア体験」を実施する。1980年代から1990年代にかけて、映画館からレンタルビデオ店へと「見る場所」が変容しつつあった時代に注目し、その時期の鳥取市民のメディア体験がいかなるもので

          地方映画史研究のための方法論(37)パラテクスト分析⑤アメリー・ヘイスティのデトリタス論

          地方映画史研究のための方法論(36)パラテクスト分析④ポール・グレインジによるエフェメラル・メディア論

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 「W iii Z_vol.0」 於 イタリア会館Spazio 2024年9月14日(土)、原田真志さんが主催するイベントシリーズ「W iii Z」の初回として、原田さんの監督作品『visions/おもいでキネマたまわります。』の上映会がイタリア会館 Spazio(福岡市)で行われます。私は上映後のトークにオンラインで参加予定(17:00開場、17:30『visions』上映開始、19:00頃トーク)。原田さん、杵島和泉さ

          地方映画史研究のための方法論(36)パラテクスト分析④ポール・グレインジによるエフェメラル・メディア論

          ミュージックビデオの身体論⑨ヴァルネラブルな身体──クリス・カニンガムからまふまふまで

          9. ヴァルネラブルな身体──クリス・カニンガム 9-1. クリス・カニンガム前々回(「アマチュアの身体──スパイク・ジョーンズからCGMへ」)と前回(「デジタルな身体──ミシェル・ゴンドリーからバーチャルアイドルまで」)は、『ディレクターズ・レーベル』第1弾で紹介された3名のMV監督(スパイク・ジョーンズ、ミシェル・ゴンドリー、クリス・カニンガム)が描き出してきた身体イメージが、現在のMVが描き出す身体イメージの「原型」もしくは「類型」となっているのではないかと仮説を立て、

          ミュージックビデオの身体論⑨ヴァルネラブルな身体──クリス・カニンガムからまふまふまで

          地方映画史研究のための方法論(35)パラテクスト分析③ジョナサン・グレイによるオフ・スクリーン・スタディーズ

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 展覧会「見る場所を見る3+——親子で楽しむ映画の歴史」 2024年8月22日(木)から31日(土)まで、展覧会「見る場所を見る3+——親子で楽しむ映画の歴史」を鳥取市立中央図書館で開催する。かつての鳥取では、教育目的の映画が「いつでも・どこでも・誰でも」映画が見られるという鑑賞機会確保に大きな役割を果たしていた。その時代の風景を想像できるような展覧会にできればと思う。 また8月24日(土)には、関連企画として上映会「1

          地方映画史研究のための方法論(35)パラテクスト分析③ジョナサン・グレイによるオフ・スクリーン・スタディーズ

          地方映画史研究のための方法論(34)パラテクスト分析②ジェラール・ジュネット『スイユ——テクストから書物へ』

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉

          地方映画史研究のための方法論(34)パラテクスト分析②ジェラール・ジュネット『スイユ——テクストから書物へ』

          ミュージックビデオの身体論⑧デジタルな身体──ミシェル・ゴンドリーからバーチャルアイドルまで

          8. デジタルな身体──ミシェル・ゴンドリーからバーチャルアイドルまで 8-1. ミシェル・ゴンドリー前回(「アマチュアの身体──スパイク・ジョーンズからCGMへ」)は、『ディレクターズ・レーベル』第1弾で紹介された3名のMV監督(スパイク・ジョーンズ、ミシェル・ゴンドリー、クリス・カニンガム)が描き出してきた身体イメージが、現在のMVが描き出す身体イメージの「原型」もしくは「類型」となっているのではないかと仮説を立て、スパイク・ジョーンズの諸作品とその系譜に連なるMVを紹介

          ミュージックビデオの身体論⑧デジタルな身体──ミシェル・ゴンドリーからバーチャルアイドルまで

          地方映画史研究のための方法論(33)パラテクスト分析①ロラン・バルト「作品からテクストへ」

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉

          地方映画史研究のための方法論(33)パラテクスト分析①ロラン・バルト「作品からテクストへ」

          地方映画史研究のための方法論(32)大衆文化としての映画⑥——佐藤忠男の任侠映画・剣戟映画論

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 鳥取大学サイエンス・アカデミーVol.546「映画はどこにあるのか——鳥取の映像文化を支える人びと」 杵島和泉さんとの共著『映画はどこにあるのか——鳥取の公共上映・自主制作・コミュニティ形成』の刊行記念講座として、2024年6月8日(土)に鳥取県立図書館で、鳥取大学サイエンス・アカデミーVol.546「映画はどこにあるのか——鳥取の映像文化を支える人びと」を実施する。 講師|佐々木友輔(鳥取大学地域学部准教授)    

          地方映画史研究のための方法論(32)大衆文化としての映画⑥——佐藤忠男の任侠映画・剣戟映画論

          地方映画史研究のための方法論(31)大衆文化としての映画⑤——鶴見俊輔による限界芸術/大衆芸術としての映画論

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 杵島和泉さんとの共著『映画はどこにあるのか——鳥取の公共上映・自主制作・コミュニティ形成』の刊行記念講座として、2024年6月8日(土)に鳥取県立図書館で、鳥取大学サイエンス・アカデミーVol.546「映画はどこにあるのか——鳥取の映像文化を支える人びと」を実施する。 講師|佐々木友輔(鳥取大学地域学部准教授)    杵島和泉(神戸大学大学院) 日時|2024年6月

          地方映画史研究のための方法論(31)大衆文化としての映画⑤——鶴見俊輔による限界芸術/大衆芸術としての映画論

          地方映画史研究のための方法論(30)大衆文化としての映画④——権田保之助『民衆娯楽問題』

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉

          地方映画史研究のための方法論(30)大衆文化としての映画④——権田保之助『民衆娯楽問題』

          地方映画史研究のための方法論(29)大衆文化としての映画③——フレドリック・ジェイムソン「大衆文化における物象化とユートピア」

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉

          地方映画史研究のための方法論(29)大衆文化としての映画③——フレドリック・ジェイムソン「大衆文化における物象化とユートピア」

          地方映画史研究のための方法論(28)大衆文化としての映画②——ジークフリート・クラカウアー『カリガリからヒトラーへ』

          見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト 『映画はどこにあるのか——鳥取の公共上映・自主制作・コミュニティ形成』(2024) 2024年3月は、3年間継続してきた「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」の活動成果をいくつか世に出すことができた。一つは、杵島和泉さんとの共著『映画はどこにあるのか——鳥取の公共上映・自主制作・コミュニティ形成』(今井出版、2024)の刊行。 鳥取で自主上映活動を行う団体・個人へのインタビューを行うと共に、過去に鳥取市

          地方映画史研究のための方法論(28)大衆文化としての映画②——ジークフリート・クラカウアー『カリガリからヒトラーへ』