現代詩|海底洞窟にて
1 天井の空隙
一日四時間、仕事する
一日一篇、詩を詠む
週に一遍、文を書く
週に三遍、電話する
一汁三菜、理想的な生活
かつかつだった時間も、慣れてしまえばなんてことない
2 黒い壁
「君は十分に苦しんだ」
精神病院の白い壁。
かちゃっと外される足枷。
「幸せになっていいんだよ」
精神病院の白い壁。
しかし見つからなかった光。
何かを待っていたと思う。
空白を埋めてくれる何か。
白馬の王子様をではない。
内なる小さな超新星爆発を。
3 私
昔は狂人と言われたかった
正しく認めてほしかったからだ
今は狂人と言われたくない
正しく認めてほしいからだ
4 漏れ入る光
要らないものを切り捨てたら、心臓が残る。
その心臓を切り披いたら、真珠が残る。
無限の海岸に、ひときわ目を惹く一握の砂。
シリウス-ベテルギウス-プロキオン。
その中心座標に直感が灯る。
東京の耀で隠された虚空に。
心象の一角獣を描く。
5 海底洞窟
洞窟の天井から漏れ入る青色の光
「君は十分に苦しんだ」
、、、
、、、、、、水?
言われてみれば息が苦しい
言われてみればもう何年も
息抜きをしていない気がする
楽しいってなんだっけ
空が青い
、、、
、、、、、、水面?
6 ユリーカ
そうか!
そういうことだったのか!
そうか!
なんて素晴らしいんだ!
あれがこうでそれがああなのか!
そして僕がそうなってだからこうなのか!
ああそうか!
私の心は学びたがっている!
私の心は戦いたがっている!
これが永久機関ということか!
街の全てが新しい
どんな悪口も届かない
ああ
世間話がじれったい
ああ
事象の全てを倍速再生したい
歩くペースが速くなる
腕の振りが大きくなる
「幸せになっていいんだよ」
そうか!
そういうことだったのか!
一角獣が遠吠えをあげている
私は虚空から生える光を手繰り寄せる
7 振り出し
(準備中)