
世界大会前、子ども達のおやつはブルーチーズのスイーツでした(ざっくりレシピ付き)
こんにちは。
おうちチーズアドバイザーJunko(笹井純子)です。
週末、夫のチーズハンバーグに、娘が作っていたオートミールのキムチーズおにぎり、私の作るチーズの盛り合わせ(チーズプラトー)と、
気付けばチーズ祭りになっていました(笑)
「我が家はチーズ好きだよね~」
そんな会話をしていると、
「そういえば、お母さんがフロマジェの世界大会に行く前は、毎日のおやつはブルーチーズのスイーツだったよね。あぁ~、あんなおやつが毎日食べられるなんて幸せだったなぁ~。」と次女。
そうそう、そんなヘビーな日々があったよね。
それこそチーズ祭りだわ!
そのころは昼間っからブルーチーズがたっぷりのスイーツが、ほぼ毎日のようにおやつに出てくる。
いくらチーズ好きな私でも、それはちょっと無理!!
なのに、よくもまあ、飽きずに、、、というか、小学生がブルーチーズのおやつを食べて「もっと食べたい!」「今日もある!幸せ!!」なんて反応見せてくれるところが、親ながらびっくりします。
きっと私以上にチーズのことを愛しているに違いない。。。
さて、その「フロマジェの世界大会」とはざっくりとこんな感じです。
世界最優秀フロマジェコンクールは、2年に一度フランスで6月に開催されるフロマジェ(チーズの専門家呼称)のコンクールです。
チーズの知識はもちろん、取り扱い方・みせ方などの技術も競う大会。日々チーズショップで腕をふるっているような職人さんが出場して腕試しをする場であり、切磋琢磨して腕を磨く機会でもあり、そしてチーズ業界を盛り上げる場になっていると思います。
チーズが伝統的なものとして日常になじんでいる国では、そのような職人さんが出場してきますが、私のように個人でチーズ講師をしている立場で出るのは珍しいです。なので、準備も大変でした。ちなみに私は2017年に出場しました。世界大会へのチャレンジはたくさん書きたいことがあるので、また改めて書くことにしますね。
前後で色々と苦しむわけですが…
とりあえず、私の人生の中で、ものすごいチャレンジと経験をすることができたことはとてもハッピーなことでした。

毎日ブルーチーズがおやつの日々。
さて、そのコンクールでは9課題をクリアしなければいけませんでした。そのうちの技術を競う5課題の中で「ブルーチーズのアレンジ」なるものを披露するというのがありました。フロマジェは、チーズをそのままでおいしく提供することも、様々な食べ方提案ができることも必要ですから。
細かいことを言えば、色々な規定があるのですが、そこは今日はすっとばしましょう。
とりあえず、「フルムダンベール」という、日本でもファンが多いブルーチーズを他の食材と共にアレンジして、5人分のプレートを作成しなければいけません。

そして、試行錯誤の結果、和洋をミックスしたようなスイーツを考案しました。あまり日本をアピールしすぎても、理解してもらえないところもあると思いましたが、私らしいアレンジで楽しんでみました。
一つはマスカルポーネとブルーをまぜたブルー風味のクリームと、マロンペーストとマスカルポーネ、ラム酒でほんのり香付けしたマロンクリーム、栗の甘露煮、これらを層にして、仕上げにブルーをアクセントにちらしたスイーツです。
ブルーチーズは丁寧に裏ごしをしてから、マスカルポーネをふんわり空気を含みながら混ぜていきます。このひと手間で、ふわふわなめらかなクリームになります。
マスカルポーネもどれを使うかによって、まったく濃厚さが変わってくるので、それによってブルーとの割合も色々変更しました。奥が深いです。
これらのクリームの間に、シロップをしみこませたビスケットやスポンジなどを挟みこんだら、ティラミスアレンジのような感じかもしれませんね。そういうアレンジもありですが、この時は食後のデザートをイメージして、小さなエスプレッソカップにふんわりさせたクリーム等を順番に重ねていきます。
栗の甘露煮が色と甘味のアクセントに、そしてブルーチーズもころころと入っていることで、ブルーの風味と塩味が全体を引きしめてくれました。
このアレンジとして、お家で手軽に~なら、くるみパンなどにブルーチーズとマスカルポーネでつくったクリームを塗って、栗の甘露煮をちらしてもいいと思います。お好みではちみつをたらりとしてもおいしいですよ。
そして、もう一つ。ブルーチーズでオレンジピール入りの羊羹をサンドし、きれいにカットしたものを八ツ橋にのせます。仕上げにオレンジピールをかざった和洋ミックスなスイーツ。
関西出身な私。大学も京都だったこともあり、八ツ橋はとっても身近なお菓子の一つでした。以前から「八ツ橋をクラッカーがわりにチーズと楽しんだら絶対おいしいと思う。甘さとニッキの香りがブルーチーズと合わせてみたいな」と思っていたこともあり、そこからイメージを膨らませていきました。
スイーツにするなら、もう少し甘味をプラスしたい、、、ここはあんこかな?
ブルーチーズに「メンブリージョ」というマルメロのジャムを挟んだり、のせたりして食べることがありますが(ジャムといいますが、見た目はフルーツ羊羹みたい、)そのイメージで挟み込むなら「羊羹」がいい!
だからといって、めちゃくちゃ「和」ではなく、「和スイーツ」のようにアレンジすることで、海外の人にも食べていただきたいな。
ここはアクセントにオレンジピールをのせることにしましたが、色々さがしてオレンジピール入りの羊羹、というものを見つけました。もうこれだけでもおいしいのですが、今回はアレンジさせてもらうことにしました。
どのくらいの厚みだと味のバランス、見た目のバランスがいいか、オレンジピールの置き方は、、、など色々工夫しました。しかも、地味にとても細かな作業なのです。
直径が13cmの背が高い円筒形のフルムダンベール。ここからカットし、そして厚みを考えながら八つ橋にぴたりと乗せられる大きさにカットしなければいけません。しかも、無駄なチーズがたくさんあり、廃棄などになれば減点になりますし、そもそも勿体ないです。丁寧な仕事が要求されます。
それに、スイーツ2種類の盛り合わせになんかしたものなので、余計に手間がかかってしまいました。
でも、両方作ってみたくって~

ということで、どちらのスイーツも何度も試作を繰り返してレシピを完成させていくだけでなく、動きをスムーズにするために何度も練習をしなければいけませんでした。時間内にクリアしないと失格です。どこに道具をおいて、使ったあとどうするか、そんなことも考えないといけません。作業スペースが汚いだけで減点です。

しかも、緊張している中で細かな作業ができるようにしておかなくてはいけません。本番の為にできることは、準備を十分に積んでおいて自分を安心させることしかないのです。。。

なので、この課題だけでも、ありとあらゆる準備や練習が必要で、冷蔵庫はチーズの塊が常にあり、みるみるうちになくなっていくのです。

そして、そのチーズはどこへ行くのかといえば、、、
そう、子供達のお腹の中へ(笑)!!
「ただいま~今日のおやつはなに?」
「あ、ごめん。今日もブルー食べてもらってもいい?」
「わーい!!やったー!!!食べる食べる!2個食べてもいい?」
こんな会話がしばらく続いておりました。
もちろん、おいしいスイーツを作っているつもりですし、私も美味しいと思って作っているわけですが、これだけ毎日のように昼間っからブルーチーズを食べられるって信じられません。
しかも、他にも色々チーズが毎日のように出てきていたのに。。。
我が子たち、おそるべしです。
でも、こんな子供達とのやり取りと、美味しく食べてくれる顔を見れたことで、どんなに救われたかわかりません。身近でこんなに応援してくれている人がいるんだと思うと力が湧いてきました。
お姉ちゃん達がまだ幼稚園、小1のころにベルギーに住んでいたことがありますが、その時にとてもチーズが身近になっていたように思います。マルシェでたっぷりチーズを購入して食べてましたし、お友達の家におよばれにいっても、必ずチーズが数種類準備してありました。
小さな時に食べていたこともあり、今でもチーズはちょこちょこ食べてきたものなので、彼女たちにとっては馴染みのある味であり、おいしい食べ物のひとつなんでしょうね。
最近は面倒なこともあり、なかなかこれらのアレンジをしてあげることはなくなりましたが、ブルーチーズをはじめ、チーズは何かと食べている我が家。お祝いの時の華やかなチーズプラトーだけではなく、食後の家族の時間にちょこっとチーズの盛り合わせが出てくることもあります。
チーズが少しあるだけで、またその時間を家族と一緒に楽しむことができます。おうち時間がちょっと華やいでくれます。
単に「お母さんの仕事」だからではなく、家族の時間をちょっと特別にしてくれる大切なツールであり、我が家にとってチーズはなくてはならないものになっているのかもしれません。
もうあんな頃のように「毎日ブルーチーズのスイーツ」が山盛りでてくることはありませんが、週末の今日も何かとチーズ祭りになっている我が家です(笑)。
多分これからも。
