筋トレのコツ24:2つの筋肉をまとめて鍛える「スーパーセット」の方法
この記事では、筋トレを行う際の「セット方法」の一つである『スーパーセット』の特徴について簡単にまとめています。その特徴を理解する事で、トレーニング効率を上げていきましょう。
尚、「セット方法」とは、トレーニングで扱うウェイト(重量)、1セット中のレップ(反復回数)、セット間のインターバル(休憩)、そして合計のセット数の事です。それぞれについて解説していきます。
「スーパーセット」とは?
スーパーセットとは、「主働筋」を鍛えるトレーニング種目と、その主動筋に対する「拮抗筋」を鍛えるトレーニング種目を「1セット」として行うセット方法です。
この主動筋と拮抗筋については『筋トレのコツ2:主動筋と拮抗筋を意識しよう』を参照して下さい。簡単に説明すると、「主動筋」は主に筋力を発揮して収縮している筋肉の事、「拮抗筋」はそうして主動筋が筋力を発揮している時、逆に伸ばされている筋肉の事を言います。
例えば上腕二頭筋が収縮する際には、上腕三頭筋が伸ばされます。また上腕三頭筋が収縮する際には、上腕二頭筋が伸ばされます。つまりスーパーセットの場合、この上腕二頭筋を鍛えるトレーニング種目と、上腕三頭筋を鍛えるトレーニング種目を合わせて「1セット」として数える訳です。
そしてその2つのトレーニング種目は、なるべくインターバルを挟まずに、連続で行います。またそうして1セットを行った後、今度はインターバルを1分~1分半程度挟み、再び同じように1セットを行います。それを数セット繰り返すのがこのスーパーセットです。
スーパーセットにおける重量の設定
「2つのトレーニング種目を1セットとして数える」ようなセット方法には、スーパーセットの他に「コンパウンドセット」という方法もあります。コンパウンドセットについては『筋トレのコツ22:コンパウンドセットの方法について解説』を参照して下さい。
このコンパウンドセットの場合、「同一の筋肉を鍛える、異なる2つの種目を連続で行う」事になります。そのため後に行う種目での疲労を考えると、それぞれの種目で扱う重量は、やや抑え目にする必要があります。
一方、スーパーセットの場合、そのように主動筋と拮抗筋、つまり異なる筋肉を鍛える2つの種目を連続で行います。そのため重量を抑える必要がありません。
つまりスーパーセットでは、通常の筋肥大を目指す時と同じように、最大重量の8割前後(7~9割)となるような重量で行って良い訳です。その重量を最後まで維持して数セット行う事になります。
セット間のインターバルは短めにする
通常のセットを行う場合、セット間のインターバルは2分程度です。
一方、スーパーセットでは、前の種目で疲労させた筋肉を、後で行う種目中に「休ませる」事ができます。このため2つ目の種目を行った後の「セット間のインターバル」があまりに長くなると、1つ目の種目で疲労させた筋肉が休みすぎてしまいます。
よってスーパーセットを行う場合、セット間のインターバルは、「1~1分半程度」とかなり短くなります。
また通常のセットを行う場合、同じ種類のトレーニング種目を数セット行った後、別の筋肉を鍛えるトレーニング種目を行う場合、十分なインターバルを取った後で行う事になります。つまりインターバルを取っている分、トータルのトレーニング時間は、かなりかかってしまいます。
一方、スーパーセットの場合、そのように2つの筋肉を一緒に鍛える事ができます。そのためスーパーセットを行って、まとめて鍛えてしまえば、かなりの「時短」になります。
スーパーセットにおける種目の組み合わせ方
スーパーセットはそのように主動筋を鍛えるトレーニング種目と、拮抗筋を鍛えるトレーニング種目を連続で行います。よってスーパーセットを行うためには、主動筋と拮抗筋の関係にある筋肉を、あらかじめ知っておく必要があります。
特に多くの人がイメージするのが、「体の表側にある筋肉」と「裏側にある筋肉」の組み合わせです。しかし実はそう単純ではない筋肉もあるので、これに関しては覚えるしかありません。
あくまで一例ですが、主動筋と拮抗筋の関係になる筋肉には・・・
・大腿四頭筋←→ハムストリングス(太ももの表と裏)
・上腕二頭筋←→上腕二頭筋(腕の表と裏)
・大胸筋←→僧帽筋(胸と背中)
・腹直筋←→広背筋(お腹と背中)
・前脛骨筋←→腓腹筋(スネとふくらはぎ)
このような組み合わせがあります。
これを踏まえ、スーパーセットでの種目の組み合わせを考えてみると、
・レッグエクステンションとレッグカール(太ももの表と裏)
・アームカールとフレンチプレス(腕の表と裏)
・ダンベルプレスとワンハンドローイング(胸と背中)
・シットアップとバックエクステンション(お腹と背中)
・トーレイズとカーフレイズ(スネとふくらはぎ)
このような感じになります。
特にその動作に1つの関節・筋肉が関わる「アイソレーション種目」同士で組み合わせると分かりやすいと思います。尚、アイソレーション種目については『筋トレのコツ21:アイソレーション種目とコンパウンド種目』を参照して下さい。もちろん2つ以上の関節・筋肉が関わる「コンパウンド種目」同士で組み合わせるのも構いません。
ちなみに肩や肩甲骨はちょっとややこしくて、
・三角筋の前部と大胸筋←→三角筋の後部、大円筋、広背筋
(腕の骨を真っ直ぐ下から前に持ち上げる←→真っ直ぐ後ろへ引く)
・三角筋の中部←→大胸筋、大円筋、広背筋
(腕の骨を横から上に持ち上げる←→横から下げる)
・棘下筋と小円筋←→肩甲下筋と大円筋
(肩甲骨の動き。腕の骨を外へ捻る←→内に捻る)
・前鋸筋と小胸筋←→僧帽筋の中部と菱形筋
(肩甲骨の動き。肩甲骨を下げるor遠ざける←→近づける)
・僧帽筋の上部、肩甲挙筋、菱形筋←→僧帽筋の下部、小胸筋、前鋸筋、広背筋(背中の上と下。肩や肩甲骨を上げる←→下げる)
このような感じになっています(一部省略している筋肉もある)。
特に肩甲骨は意識しなくても自然と動くので、ここまで細かく意識する必要はないと思います。ただまぁ例えば「肩コリ」をした時、普段は意識していない反対の筋肉を刺激したり伸ばしたりして、改善できる場合があるので、覚えておいて損はないですけどね。
以上です。お役に立てれば幸いです。