筋トレのコツ23:筋持久力も高めるトライセットとジャイアントセット
この記事では、筋トレを行う際の「セット方法」の一つである『トライセット』と『ジャイアントセット』の方法について簡単にまとめています。その特徴を理解する事で、トレーニング効率を上げていきましょう。
尚、「セット方法」とは、トレーニングで扱うウェイト(重量)、1セット中のレップ(反復回数)、セット間のインターバル(休憩)、そして合計のセット数の事です。それぞれについて解説していきます。
「トライセット」とは?
トライセットとは、「同一の筋肉を鍛える、異なる3つのトレーニング種目」を組み合わせ、それを「1セット」として行うセット方法です。つまり前回の記事で解説した「コンパウンドセット」に、更にもう一つ、別のトレーニング種目を追加して行う事になります。
どういう事かというと、例えば肩の三角筋を鍛えるトレーニング種目には、フロントレイズ、サイドレイズ、リアレイズ、ショルダープレス、ワンハンドローイングなどがありますよね。
つまりこれらの中から3つのトレーニング種目を選んで、例えば「ショルダープレス+サイドレイズ+リアレイズ」というようにしたら、この3つの種目を「1セット」として数え、3つの種目を行う間は、なるべくインターバルを挟まず連続で行います。
そしてその1セット(3種目連続)を行ったら、インターバルを3~5分程度取り、再び同じように1セット(3種目連続)を行い、それを数セット繰り返します。これがトライセットの簡単な概要です。
トライセットで扱う重量の設定
トライセットでは、3種目を連続で行う関係上、各種目で扱うそれぞれの重量は、通常のセット方法よりも小さくなります。
例えば、通常、筋肥大を目指す場合、最大重量の8割前後(7~9割)の重量に設定します。そして1セットを6~10レップとし、それを2分程度のインターバルを挟んで、合計数セット行います。
一方、トライセットの場合、後に行う種目の疲労を考えると、各種目で扱う重量は、最大重量の7割程度になります。
つまり「ショルダープレス+サイドレイズ+リアレイズ」の例で言えば、ショルダープレスを「ショルダープレスにおける最大重量の7割」で10レップ、サイドレイズを「サイドレイズにおける最大重量の7割」で10レップ、リアレイズを「リアレイズにおける最大重量の7割」で10レップ・・・という感じになります。これをインターバルを挟まずに行う訳です。
そうして1セット行ったら、3~5分程度のインターバルを挟んで、同じように1セット。これを数セット行います。
ただし最初の1セット目と、2セット目や3セット目を比べると、セットを重ねる毎に「後に行う種目」での疲労が大きくなっていきます。そのため、2セット目以降に行う「後に行う種目(特に3種目目)」は「10レップ」に固定化せずに、「限界までレップを重ねる」ように意識します。こうする事で筋肉を追い込みます。
トライセットにおける種目の組み合わせ方
トライセットを行う際の組み合わせとしては、例えば以下のようなものが考えられます。
・チンニング+ラットプルダウン+アームカール(僧帽筋と上腕二頭筋)
・プッシュアップ+ベンチプレス+フレンチプレス(大胸筋と上腕三頭筋)
・スクワット+フロントランジ+レッグエクステンション(大腿四頭筋)
・デッドリフト+バックエクステンション+レッグカール(広背筋とハムストリングス)
組み合わせ方によって大きく異なりますが、このようにトライセットでは「複数の筋肉を同時に鍛える」事もできます。これもトライセットの特徴と言えます。
またトライセットの場合、このように基本的には「コンパウンド種目+コンパウンド種目+アイソレーション種目」という組み合わせになります。
特に最後に「アイソレーション種目」を持って来るのがポイントです。これは何故かというと、アイソレーション種目には「動作に一つの関節・一つの筋肉」しか関わっておらず、特定の筋肉を意識しやすいからです。
もちろん複数の関節・複数の筋肉が関わるコンパウンド種目だけを組み合わせて行うのも、一向に構いません。その辺は特に決まったルールがある訳ではないので、お好みで良いと思います。
ただしコンパウンド種目と比べ、アイソレーション種目の種類はかなり少ないので、アイソレーション種目だけでトライセットを行う事はできません。
この「コンパウンド種目とアイソレーション種目」についてはこちらの『筋トレのコツ21:アイソレーション種目とコンパウンド種目』を参照して下さい。
「ジャイアントセット」とは?
ジャイアントセットは、単純にトライセットに、更に別の種目を1つ追加するだけです。つまりジャイアントセットとは、『同一の筋肉を鍛える、異なる「4つ」のトレーニング種目』を組み合わせ、それを「1セット」として行うセット方法です。
基本的な方法はトライセットと同じです。4つの異なるトレーニング種目は、なるべくインターバルを挟まず連続で行い、それを1セットとして数えます。そしてインターバルを3~5分程度取り、数セット繰り返す訳です。
あくまで一例ですが、組み合わせとしては以下のようなものが考えられます。
・チンニング+ラットプルダウン+ワンハンドローイング+アームカール
・プッシュアップ+ベンチプレス+バタフライ+フレンチプレス
・スクワット+フロントランジ+レッグプレス+レッグエクステンション
・デッドリフト+バックエクステンション+ヒップエクステンション+レッグカール
このようにジャイアントセットも、基本的には「コンパウンド種目とアイソレーション種目」を組み合わせ、アイソレーション種目を最後に持ってくるようにします。もちろんコンパウンド種目だけで組み合わせても問題はありません。
一方、ジャイアントセットでは、トライセットよりも種目が一つ増えているので、後に行う種目での疲労を考えると、それぞれの種目で扱う重量は更に小さくなります。
前述したトライセットの場合、「各種目での最大重量の7割で10レップ」、そしてセットを重ねる毎に、「後に行う種目(特に3種目目)」では「限界までレップを重ねる」ようにして行います。
これがジャイアントセットになると、「各種目での最大重量の6割で10レップ」とし、セットを重ねる毎に、「後に行う種目(特に3種目目と4種目目)」で「限界までレップを重ねる」ようにして行います。
筋肥大よりも筋持久力の向上が狙える
トライセットやジャイアントセットでは、そのように後に行う種目での疲労を考慮して、各種目で扱う重量を小さくする必要があります。またそうして疲労が蓄積している中でも、3種目あるいは4種目を連続で行う事になります。
これによってトライセットとジャイアントセットでは、「筋持久力の要素」が大きくなっています。もちろん筋肥大は全く起こらない訳ではありませんが、コンパウンドセットあるいは通常のセット方法よりは、「筋肥大の要素」は小さくなっています。
そのためトライセットやジャイアントセットは、「恒例化」させるものではなく、たまに「壁を打ち破る」ために「異なる刺激、あるいは新しい刺激が必要になった時に行う」ようにすると良いでしょう。
以上です。お役に立てれば幸いです。