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仙人になれる実を手に入れた!

Q.仙人になりたいと思ったことがありますか?

▶︎ ある
 ない

では、以下にお進みください


仙人になりたいと思ったことがある人は、この世にどれぐらいいるのだろうか。
ちなみに、私は仙人になりたいと思ったことがあるし、今でも仙人になりたいと思っている。


私がイメージする仙人とは、老子であり、亀仙人だ。


なんだか自由気ままで、長寿で、パワフルで、気を操れて、達観していて、あとなんだ?
まあ、そんな感じの。

気を操り空を飛びたいと、夫と二人で気の練り方を練習したり、パワースポットに通ったこともある。
仙人たちの思考回路を知りたいと、東洋哲学に関する本を読んだりもする。


しかし、私はいまだに仙人にはなれていない。


残念しかない。もう44歳なのに。いつになったら、仙人になれるのだろうか。悲しい。悲しくて仕方がない。いや、嘘ついた。全然悲しくない。私からは悲壮感など漂ったことがない。いや、嘘ついた。グラスのビールが空になっているのに、新しいビールが届かない時の悲壮感たるや凄まじいものであり、そのうちに怒りの動線に火がつかんとばかりに、私は青い炎を燃やしている。

しようも無いことで腹を立てる点から考えても、私は仙人には程遠い。

でも私は、この度、仙人になれる可能性を見つけたのだ。私は、とある実を食べると仙人になれるという話を耳にした。

その実とは、松の実である。

松ぼっくりの実。

松ぼっくりから実が取れるとは思っていなかったが、松の実は、ジェノベーゼのソースに使われていたり、お菓子や中華料理に入っているということを思い出した。案外、松の実は身近なもののようだ。

この、松の実。実は、仙人が食べると言われている不老長寿の実らしい。それに、食べると仙人になれると言われているらしい。すごい。すごすぎる。私は仙人になるために、早速松の実を買いに走り、フライパンに入れ、乾煎りして口に放り込んだ。

ほっくりとした素朴な味。
可もなく不可もなく。これで仙人になれるのだろうか。なんだか髭が生えてきそうな、なさそうな。
しかし、もうこれで私間違いなく、こう宣言できる。



実は私、仙人なんです。



だがしかし、この松の実、案外値が張る。
私が仙人でいられる日は、財布に余裕がある時限定になりそうだ。仙人までの道のりは、まだ遠い。




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