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シングルベッドは満員です

6畳間にシングルベッド三台。

これが我が家の寝室の状況だ。
そのベッドの上に夫、次男、私とそして愛犬ポッキー(マルプー/オス)がトドのように横たわって眠っているのが猿荻家の夜11時から朝5時半までの現状である。

次男は小学五年生なので、もう一人部屋を与え、一人で寝ていい年頃ではある。
しかし彼は、中学校入学までは一緒に寝ると言って聞かない。そのため私は、あとわずかな川の字で眠る時間を楽しむことにしている。

だがしかし、シングルベッドが三台もあるにも関わらず、真ん中の一台が全く使用されていない時がある。

次男が私のベッドまで転がってくるのだ。
よって私は、端の方に追いやられて眠ることになる。

ああ、狭い。狭い狭い。
そう思った私は、息子を真ん中のベッドまで追い返そうと試みる。私はグググと息子を押し返そうとするが、重すぎて無理。息子は割と大きい方で、150cm近く身長はあるし、体重も45kgは超えてるはず。覚えてないけど。半分眠っている私の脱力中の体では彼を動かすことはどうやっても難しい。

私は甘んじて息子を私のシングルベッドに迎え入れ、端の方で眠りにつくことにした。

しかし、ああ、イライラする。狭い。狭すぎる。

そんなことを考えているところに、ふと目を覚ましたポッキーがトコトコとやってくる。そして、私の枕の上にぽすんと座るのだ。くそぅ。そこは私の枕だぞ。お前のクッションじゃねー!

私はほとんど眠っている頭でぐぐぐとポッキーを押し返そうとするが、ふわふわすぎて無理。気持ちいい。かわいい。あったかい。スキ。

こっちも無理。動かせない。

私は仕方なくポッキーも受けいれることにして、自分のシングルベッドの隅の方で、小さく丸まって眠るのである。
まあ、これもあとわずかな時間だと思えば耐えられなくもない。きっとこれが幸せな思い出になる日が来るのだろう。

だがしかし、とにかくゆっくり大の字で寝たい。





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