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Grade 9: 誰かがいるから強くなっていく 孤独だとしても

正式にお付き合いを開始した翌日から、Eくんと私はもうさっそくデートの計画を立ててた。
彼からの気持ちのが明らかに大きかった。

当時、彼がきっと好きだったんだろう場所の映画館で、こないだ観れなかったFlight Planをリベンジしようということになった。

10月30日 日曜日
Eくんが提案した場所は、家族と週末に買い物や映画を観に行くことはあっても1人で行ったことがない場所だからちょっと乗り気じゃなかった。
だから午前中までバスケの練習があるEくんと学校で合流することにした。
また遅れちゃうかもしれない。そう思って焦りながら学校真ん前のバス停目指して坂道を登ってたことをなんとなーく覚えてる気がする。

そうだ。バスで座席に座ったEくんは背中までべったり座って。

イメージは不良の座り方 笑
バリバリの大阪弁だしなんか大阪の兄ちゃんって感じだったから数年後、我が家でのニックネームは「兄さん」だった


Eくんの座り方、めちゃくちゃ記憶に鮮明に残ってる。

この時じゃないかもだけどそれでもバスの中で兄姉がたくさんいること、1番上のお兄さんが母校に通ってたことがあって憧れて自分も高校に上がるタイミングで単身留学を決心したことを教えてくれた。

11月2日 水曜日
また前回とは別のインターとバスケの試合があってEくん、Marioくん、スターフィッシュくんやHageたちは放課後送迎の小さいスクールバスに乗り込んだ。私とFちゃんも、試合を見に一緒にバスに乗った。
とんぼちゃんも居たのかもしれない。
Hageがいたってことは栗もいたはずだけどきっとこの頃はみんなの前で直接的に絡むことが圧倒的に減ってしまったのかもしれない。それくらい当時のログにエピソードがない。

道中のバスで、二列前に座ったMarioくんが私に振り返って、「EっちとSarryちゃんどっちのほうが手大きいん?!」って聞いてきた。確か2人で徐に手の大きさを比較してたんだと思う。(Marioくんも身長が低くて自分よりも小さいEくんを弟のように可愛がってた)

その流れで確かHageとFちゃんも手を合わせたりして絶対Eっちのが小さいやろとMarioくんが茶化してた。

照れながらも斜め前に座ってたEくんと私はお互いに身を乗り出して手のひらを合わせた。
小柄だったけど意外にも第一関節ぶんくらいは大きい手をしていたんだとおもう。

次にMarioくんとお互いに身を乗り出して手のひらを合わした。
私の手はMarioくんよりかろうじて小さいくらいでEくんのほうが手が大きいという結論に至った。

確かこの時かなあ…試合相手の学校に到着した時、Eくんの携帯が鳴った。着信メロディがORANGE RANGEのラヴ・パレードだった。イントロのギターの音ですぐにわかった。
当時私はORANGE RANGEに大ハマりで、リリースされたばかりだったラヴ・パレードを大親友の子(今後書きます)とカラオケでハモリのにハモって歌ってて.…。
私が好きなバンドだとIちゃんから事前に聞いてた可能性が高いのに、その時の私は好きな曲を着信音にしてたEくんになんだか運命的なものを感じてしまった。

試合はというともちろん母校の勝利!

特に日本人のバスケ部で鍛え上げられたバスケスキルは最強で、Marioくん Eくん Hageのタッグは無敵だった。
だけど試合内容は満足いくものではなかったようで私を家まで送る際、市バスの中でもEくんは
「試合見にきてくれてありがとう。恥ずかしい内容の試合だった、、」と凹んでた。

住んでいた国の市バス。大型のものだとロンドンバスで、中型だと日本と同じタイプで電車のように車体が連結されてるのとかもある

そんなバスの中、私は今日の他校に向かうバスの中であったやりとりを話題にした。

「手大きいね〜」

まあ、こんなこというとただのフラグだよね 笑

Eくんは「手、繋いでもいい?」そう聞いてきた。

初めての恋人繋ぎ。手を繋ぐ瞬間がなんだかスローモーションで見える。
Eくんの指は細くて少し冷たくて男の人ってこういう手なんだってなんだか不思議だった。

手を繋ぎ始めた頃、Iちゃんが私の携帯で撮った写真
こういうの全部誰かに撮られて残ってるのほんっと稀だと思う
※分かりづらいかもだけどジーンズの尻ポケットに長財布&チェーンがある!!!前回で書いた記憶がここで証明された。

なんか恥ずかしくてその場をやり過ごしたくってめちゃくちゃ適当にペラペラ喋ってたきがする。
Eくんを見ることができなくて、二階建てのバスの1番前の座席からひたすら外の景色を眺めてた。

この日を境に私たちは毎朝坂の麓のバス停から、緩やかな坂道を登り、100何段ある階段を登り、登校した。

恥ずかしがり屋のEくんだったけど二人でいる時の彼は全然そんなことなくて。
こうやって改めて思い返すと、Eくんは私が彼の彼女であるということが本当に自慢だったんだと思う。
彼にとって私は彼の “Probably the best girl in the world” だったから。
私を独占できるのが本当に嬉しかったんだと思う。

16歳だからなのか、16歳にしてはなのか。
これだけちゃんと言葉にできるEくん。すごくツンと痛くなるね
Eくんに対するごめんねって気持ち、
この頃から変わってないんだなあ。


初めて手を繋いだ日の夜、EくんはMSNでこう言ってた。

10代の恋愛って簡単に始まって簡単に終わる一時的なものが多いかもしれない。だけど私たちは真摯だったと思う。
私はそう今でも信じたい。

「それ」が来るまであと2ヶ月と7日。






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