幽霊、2024年1月の仕事。
明けましておめでとうございます。
1月分の仕事は12月26日発売の『ZAITEN』で連載コラムが載っておりますが、大晦日に『現代ビジネス』の『時代観察者の斜め読み』も更新されました。
ZAITEN『時代観察者の逆張り思考』
前回でも書いた通り、12月26日発売の2月号は「林真理子の文壇タブーは文春砲も防ぐ」。
現代ビジネス『時代観察者の斜め読み』
チェックの差し戻しがあったので、年越しになるかと思っていたら、まさかの大晦日更新に。
今回は11月の池田大作氏逝去絡みのネタ。
実は別のネタを考えていたところを急遽差し替えたので、それもあってバタバタしていた。
提出後、差し戻しになっていたのも、池田ネタがタブーだからではなく、一般の学会員に対する描写が冷淡すぎる、という予想外の理由だった。
文中にもある通り、池田大作にはまったく思い入れがなく、学会という組織とも距離を置いているのだが、本来なら社会の底辺を這いずり回るべき、頭の悪い大衆……愚民を「民衆こそ王者」と煽て上げ、無駄な力を付与してしまったことは明確な罪ではないか、と思っている。
既に官僚化された組織である学会が、池田大作が亡くなった程度で変化が起きるとは思えないし、高齢化で緩やかに衰退していくことも確定しているが、それでも本気で学会を殲滅したいと思うのなら、まず上層部よりも底辺の実働部隊だった婦人部を、姥捨て山のように始末しなければならない。
無知無学の底辺が岩盤層として支えてきたからこそ、上層部は「民衆こそ王者」と煽て上げてきたのだから。
そう言えば、以前、老人の集団自決云々という話題が騒がれていた。
おそらく財務省あたりのエリートのレクを受けた成田悠輔や古市憲寿が観測気球を上げたものなんだろうが、一般大衆が「自分たちもその対象になるのではないか?」と考えるのは当然で、強い反発を受けた。
ならば、カルト宗教の信者……学会員だけを集団自決の対象とすれば、案外、社会の利害は一致してしまうのではないか?
なにせ、学会絡みの話題になると、世間ではほとんど陰謀論めいた言説しか出てこないのだから。戦前のアメリカの黄禍論級に。
奇しくもイスラエルがガザで大虐殺を行っているが、第二次世界大戦のホロコーストという免罪符がある以上、アメリカとドイツは無罪承認するだろう。
民主主義なんてものは西洋人が作った御為ごかしのルールである以上、彼らの都合でルールはいくらでも変わる。
ユダヤ人はアウシュビッツで虐殺されたのだから、パレスチナ人をガザで虐殺する権利がある、という論理が成り立つのなら、日本人は東京、広島、長崎で虐殺されたのだから、これから中国人を虐殺する権利もあるはずだ、という論理も成立してしまう。
因果関係としてまったく繋がっていないのだが、大衆の潜在的欲望とはそういうもので、ポピュリズムはそういう欲望を丁寧に汲み取る方向へ行くので、これからの時代はそうやって倫理的な箍が外れ、より実利的になっていくのだろう。
とはいえ、誰かを集団自決させるドラスティックなことができるような国でもないので、ガス抜きのようにそういう言説がちょくちょく出てくる程度なんだろうな、とも思っている。
まあ、コラムニストの仕事もまた、誰かのガス抜き役でしかないんだろうけどさ。
引き続き、今年もよろしくお願いいたします。