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栄養ドリンクの蓋

母の90歳になる姉は、頭も足腰もまだまだしっかりしています。

負けず嫌いの母にとって、そんな年子の伯母は昔から負けたくない相手。
それは認知症になった今でも変わりありません。

伯母は何十年も前から毎日栄養ドリンクを飲んでいて、自分が健康なのはそのおかげと思っている。

負けたくない母は、「自分にも買ってきて」と私に頼み、毎日それを飲んでいます。

あ、とは言っても伯母が飲んでいるのは大手製薬会社の1本100円以上もするものですが、母のはほぼ清涼飲料水のやっすいドリンク剤。
そこはあまり突っ込みません。
とにかく、何か飲めばいいらしい。(プラシーボ効果)

私が休みで家にいる日は「蓋、開けて~」とドリンク剤を持って来ます。「最近、めっきり力が弱くなってしまって…」と、いかにも弱々しいそぶりで。

それでも私は知っています。
頼む相手がいない時は、自分で開けて飲んでいる事を。

家族が誰もいない日でも、ちゃんと空き瓶は置いてありますから。


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