インテリアコラム①整理収納を学ぶ
インテリアの仕事に就いていると、整理収納も得意だと誤解されることがあります。
平面図を見ながら、収納についての確認と提案は私の仕事です。
一例を挙げると、奥行きの深い物入収納はハンガーパイプを手前に付けると奥に無駄なスペースができるため、奥行きの調整を提案します。
ハンガーパイプを前後に2本つける案もありますが、服と服が絡んで取り出しにくく、かえって不便を感じます。(新居に同じタイプの収納が設置されていたため、実体験です。)
パイプを2本付けることで、収納量が1,5倍になると説明する人もいますが、それ以前に洋服が皺だらけになります。
私にとってはNGな計画です。
整理収納アドバイザー
3年ぐらい前、整理収納アドバイザーのお試しプランに申し込みました。
同僚が自宅の片付けを整理収納アドバイザーに依頼した顛末を聞き、担当者を紹介してもらいました。
カウンセリングを含め、3時間で完了できる場所をアドバイスを受けながら片付けていくのがお試しプランの概要です。
カウンセリングを受け、私はものではなく、過去に執着するタイプだと指摘されました。
あまり自覚はないのですが。
リビングにある幅90cm奥行50cm高さ240cmの収納家具の整理を依頼しました。
(この収納棚は今回の引越しを機に処分しました。)
収納力がたっぷりあるため、仮置きと言い訳しつつ、ものを放り込んでしまいます。
そのため、必要な時に探し物が見つからず、日々小さなストレスを溜めていました。
要る・要らない・保留
まず、収納内部のものを全てブルーシート(先生が持参した物)の上に出していきます。途方にくれるほど大量のものが積まれていきました。
感心している場合ではないですが、まさに圧巻の収納力。
要る、要らないを判別し、シートの上に分けていきます。
要らないものは、先生が自治体のルールに従ってごみ袋に入れていきます。
一巡したところで、保留分の再検討をし、さらに要らないものがごみ袋行きに。
結局1時間で45ℓごみ袋が5袋できました。
いただきものを考える
先生の言葉を紹介します。
要る、要らないを迷うものにはプレゼントやお土産など人から貰ったものが多い。
プレゼントは、ありがとうと受け取った時、その人の想いをきちんと受けとめていれば、その時点で完結している。
いただきものは、相手に申し訳ないから捨てられない。
これから先、使うことはなくても手元に残しておかないといけない。
その思考こそが、要らないものを溜め込んでいく原因の1つだと指摘されました。
始めて会った人から発せられた言葉が心に刺さりました。
文字にすると多少乱暴に聞こえる考え方ですが、優しく笑顔で言われるとストンと腑に落ちることが不思議でした。
例えば、私の嗜好が反映された食器棚は白をベースに、シルバーの縁どりか模様のものを中心にモノトーンで構成されています。
静かな空間を心地良いと感じる
私の好みが、選び取る食器の色を絞らせています。
そこに色鮮やかな海外土産の器は、いくら高価なものであっても並べられません。
食器棚が一気に騒がしくなるからです。ただ、捨てることはできないため、上段奥の目につかないところに収納しています。
その器は、要るものでも保留でもなく、要らないものだと指摘されました。
過去に執着する
先生に指摘された過去に執着するアイテムが数年分の古い手帳のストックでした。
要るに分類した手帳を見て、なぜ古い手帳が必要なのかを聞かれました。
第一に手帳が好きなことがあります。
また過去の思い出は、間違いなく私のものです。
反芻して何度も味わいたい気持ちもあります。
こうして書くと、執着ぶりの深さに我ながら呆れてしまいます。
片付けテクニック
このスペースに、120%ぐらいのものがぎっしりと詰め込まれていました。
今は70%ぐらいに抑えられています。
奥行きが深い棚の場合、前後に物を並べないことがポイントです。
さらに中央に並ぶ2つのファイルボックスは右端の2つのファイルボックスより物が出し入れしにくいため、新しく購入するのであれば、右のタイプを選ぶと使い勝手が良いそうです。
私のファイルボックスは無印良品のものですが、ニトリでもIKEAでもこのタイプのものは便利だと思います。
今回、引越しを機にたくさんの執着を捨てました。
過去にはまだ少し執着しています。