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名古屋を愛する名古屋人が紹介する名古屋の偏愛グルメ&スポット
「名古屋は味噌とシャチホコしかない」
「名古屋は家康が美しい女性を連れて行ってしまったから、残された名古屋嬢はかわいくない」
「名古屋の運転は荒い(名古屋走りという言葉があるほど)」
挙げてみるとなんだか名古屋の悪口は多い。
さらには「名古屋飛ばし」いう言葉まである。
イベントやライブなどが福岡や大阪ではあるのに、名古屋では行われない現象のことだ。
名古屋は日本で3番目の大都市だが、観光に行きたい都道府県ランキングでは34位と、東京4位・大阪7位に差をつけられている。
書いてると名古屋がかわいそうになってくるけど、わたしはこの街、名古屋が好きだ。
名古屋は「見るところがない」わけではない。
ただ、少し見つけにくいだけだ。
そんな名古屋で良いお店に出会うと格別に嬉しい。まるで自分だけがそのお店を知っているかのような特別感がある。
東京なんかは、上野とか歩いてるとすぐ「おっ、これは....」というお店に出会うが、名古屋はそうじゃない。簡単に見つからないのが、良いんだ。いつ出会えるかわからないから、わくわくするんだ。
というわけで、今回は生粋の名古屋人が愛する名古屋の偏愛スポットを紹介していきます。
①洋菓子・喫茶ボンボン
地下鉄新栄駅から歩いて15分。道すがら、古くからありそうなお店やごはん処を見つけるのが楽しい。
さて、最初の目的地に到着。
1949年(昭和24年)創業の老舗洋菓子・純喫茶ボンボン。
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昨今の純喫茶ブームで土日は行列ができている。でも平日の朝に行くと、空いていてゆっくりできる。
おじいちゃん、おばあちゃん、学生など常連と思われるお客さんがちらほらいるのが、ボンボン本来の姿なんだろうな、と思う。
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レトロな店内に近所のお客さんで賑わう
コーヒー1杯が驚きの350円。懐かしい味の自家製のケーキととても調和している。
「いいものをお値打ちで」という開店当時からの想いもそのままだという。
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選ぶのが幸せなひととき
看板メニューの「マロン」という栗と生クリームを使ったふわふわした生地のケーキがわたしの定番だ。
ほかにも純喫茶らしいプリンアラモードやサンドイッチなどのメニューが揃っている。
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卓上塩そのままなのがレトロ。
マロンは気づいたらなくなってたので、写真がない…
ちなみに左となりにあるボンボン系列の中華「中華料理天津楼」の卵とじラーメンも美味しい。
②調理器具専門店「鍋屋」
ボンボンの右となりには、調理道具専門店の「鍋屋」がある。
なんと創業永禄二年(1559年)で、名古屋のミシュラン店の御用達なんだとか。
「鍋屋」は初代水野太郎左衛門のときに織田信長から尾張国中の鐘、鰐口等を鋳造する特権を与えられ、江戸時代では、代々尾張藩の鋳物師頭を務めていたという。
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店構えが渋くて、もしかして敷居が高いんじゃないか。そう想像して、お店の中でこそこそ存在感を消しながら商品を眺めていたら、店の中にいたおじさんが気さくに声をかけてくれる。
実店舗で買うのってやっぱりいい。
秋葉原の小さい中古のPCパーツ屋で、1つ聞いたら凄い速さでまくしたてるのに、欲しい情報を漏らさず伝えてくれた職人オタ気質のおじさん店員に、思いがけず出会えたことを思い出す。
今回は、ずっと探していた四角のクッキー型を購入。だけのはずが、気づいたら柳宗理のザルも2点購入(8,000円ほどした)。
卸売の値段なので普通に買うより安いのも嬉しい。
③Candle Shop Film
ボンボン、鍋屋から徒歩11分のところにホワイトメイツというビルがある。階段を上がり、ちょっと怪しい入り口がある。
勇気を出して、月のロゴがついた扉を開けると、ふわっとキャンドルのいい匂いが広がる。
薄暗く、炎がゆらめくその空間は、別世界に迷い込んだかのように感じた。
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「Candle Shop film」では、アートオブジェのような美しいキャンドルを販売している。
コンセプトは、「記憶に残る芸術を」。
カメラのフィルムのような人の記憶に焼き付けられるよう、物語をキャンドルに添えて、手作りしているという。
キャンドルは明かりを灯して終わりだと思っていたが、このお店に出会ってから考えが変わった。
キャンドルは溶けていくさまも美しい。
溶けながら予想もつかない姿や輝き方に変わり、花瓶になったりアートオブジェのようにもなる。
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まるで現代アートのオブジェのよう。
この姿を目指して灯し続ける。
いちばん驚いたのは、この「月齢」。
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写真はcreemaのサイトからお借りしました
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全部手作りなので、売り切れるともうそれまでのものばかり。
このお店との出会いは偶然だったけど、コンセプトやアイデアに雷が落ち、初めてキャンドルというものを購入したし、気づいたら1万5000円も使っていた。
なかなか無くならないので、毎晩部屋を真っ暗にしては、5つ同時にいそいそと炎をつけて、ゆらめきを楽しんでいる。
暗い中、なんとかして本を読もうとしているので、もはや目が悪くなる儀式だ。
④SaunaLab(サウナラボ)
実は名古屋はスパ銭&サウナ天国。
サウナーが聖地とよぶサウナ「ウェルビー栄」、スパ銭のキャナルリゾートや竜泉寺の湯などサウナーにとってはよだれものだ。
そんなサウナ天国、名古屋の中で、ちょっとめずらしいサウナがある。
そのサウナは、「Candle Shop film」から栄の繁華街を20分歩いた雑居ビルの8階にある。
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エレベーターが開くと、白樺などのサウナハーブの清々しい匂いが鼻をくすぐる。
館内のどこにいても、匂いが楽しめる。
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ここはフィンランド風のサウナを楽しめるサウナ「SaunaLab」(サウナラボ)。
このサウナの凄いところは、空間・雰囲気作りに余念がなく、完璧なフィンランドサウナ空間を作り上げていること。
名古屋最強のリラックススポットだ。
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ドライサウナ、ロウリュ、アイスサウナがある
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小道具も雰囲気作りに一役買っている
ほかにもミストサウナやハーバルサウナ、狭くて真っ暗なサウナ(瞑想用の椅子があって、瞑想にピッタリ)がある。
水風呂はないけど、2種類のアイスサウナが楽しめて、整いスペースが本当に気持ちがいい。
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木の温もりが感じられる空間がお気に入り
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平日は3時間2700円(税込)で、水やお茶、コーヒーが飲み放題・サウナハット、ポンチョ、水着、タオルを貸し出してくれるので、手ぶらでくることができる。
完全予約制なので混雑しておらず、雰囲気を壊さないのもまた良い。シャワーを浴びる際に備え付けてあったアメニティが白樺などハーブ系のもので、すんごく良い匂いがした(こちらも店内で購入可!)。
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サウナハットを被れば、サウナ中の髪の乾燥を防ぐ
男女兼用のサウナスペースもあるのでカップルでも楽しめるし、コンセントや作業スペースがあるからサウナしながらワーキングもできちゃう。
⑤萬珍軒
栄駅から徒歩15分。もしくは地下鉄東山線に乗ると6分で名古屋駅につく。
名古屋駅から新幹線や電車に乗って買える前に、ぜひ「萬珍軒」で名古屋旅を〆てほしい。
名古屋グルメといったら、ひつまぶし、手羽先、味噌煮込みうどんがあがるだろう。赤くて甘い味噌が、やっぱり大好物の名古屋人のわたしも大好きだ。
でもわたしが県外の人に本当に食べて欲しいものは、萬珍軒の玉子とじラーメンだ。(名古屋、おいしい卵とじラーメンが2店舗もあるのはどういうわけなんだろう...)
萬珍軒は創業昭和11年の老舗の中華飯店。
17時30分オープンで夜の2時まで営業している。夜遅くまでやってるから名古屋キャバ嬢の御用達とのうわさも。
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中華だから回転が早い。
ヘンテコな名前だけど、侮ることなかれ。ほっぺたが落ちそうなほど美味しい中華があなたを待っている。
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夫とシェアするので大盛り。
やさしいのに、コクがあってやみつきになる味。
じっくり煮込んだ鶏ガラと豚骨スープにとき玉子を合わせた独特のスープ。
ラーメンを口に運ぶたびに「幸せ」って萬珍軒にあったんだと生きている喜びを噛み締める。
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これだけを食べに来るお客もいるという名物料理
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アップにするとわかりやすい。
「なす飯」、今回初めて食べたんだけど、
これを食べずして帰っちゃぁいけないよ。たまらなく美味しい。
甘みと塩みが絶妙で、トロットロ。
多分なにかヤクが入ってるよ、ってくらいの中毒性。
わたしたちのすぐ後ろに並んでたおじさん2人が「なす飯は食べないとね〜」と言っていたので思わず注文。ありがとうおじさん。わかるよおじさん。
いつもは名物の海老マヨや海老チリをたのむんだけど、毎回頼んでるから今回は手羽先とチャーハンに。
海老マヨと海老チリもプリプリで、とんでもなく美味しいのでぜひ食べてみてほしい。
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無限に手が止まらないチャーハン
テイクアウト容器を30円でくれるので、残ってしまった分はテイクアウトに。
これだけ食べて、食べ切れないほどなのに、3,200円だった。
安い、旨い、早いの三拍子が揃った名古屋屈指の名店だ。
ちなみに現金オンリーなので、お気をつけください。
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