私が出逢ったツインソウル・魂の伴侶‐11
愛に自信を持ち、その自信にもとづいて自分がどうしたいのかという気持ちに素直に正直になる
その学びを実践するチャンスがついにやってきた。
でも、そう分かっていてもすぐに行動に起こせなかった。
彼に電話をしようと何度も携帯を手に取るけれど、通話ボタンを押すことがどうしても出来ない。
メールをしようとメッセージを書いても、最後の送信ボタンを押すことが出来ずに消去してしまう。
最後の最後に何かの力がわたしを強く引き戻してしまうような・・・
きっとわたしには何ががまだ足りないのかもしれない、そう感じていた。
そんな時、わたしの親友(中学生の頃からの付き合いで、彼のこともずっとリアルタイムで知っている)が足を骨折して大変な思いをしていることに気持ちが向き、ふと彼女の好きだった人(14年前に亡くなってしまった)のビデオがあるのを思いだし、それを見せて元気になって貰おう、と思いついたのだった。
そして、普段は触ることのない、もう何年も放ったらかしになっていたクローゼットの上段にあるビデオケースを開けると・・・
かつて彼がライブをやった時のテープが真っ先に目に入ってきた・・・!
わたしはずーっとそのテープの存在を記憶から削除してしまっていたのだろう。
たぶん、絶対に見てはいけないと、見れば封印した気持ちが解放されてしまうから、と無意識が決めていたのだ。
テープを見つけたわたしは驚きのあまり、「えっ?!なんで?何これ??」とひとりで叫んでいた(笑)
しばし呆然としたあと、このビデオを観たい、彼がステージで歌っている姿を絶対に観なくてはならない、と確信のようなものを感じていた。
それ程とてもとても強いエネルギーをわたしはその時感じていたのだ。
その時は夜の7時頃で、ビデオデッキを貸していた親友が仕事から帰って来る時間を確認して、わたしはすぐに出掛ける支度を始めた。
彼女には悪いけれど、何故か彼女に観せたかったビデオはその日どうしても準備が出来なかった。
事情を話すと、彼女は笑って快くわたしを迎えてくれた。
彼女の部屋で、古くて時々ノイズが走るそのライブ映像を観た時、
「これだわ、この人だわ・・・!」
と、自分でも訳のわからない感情が沸き上がってきて、わたしの目と耳は彼の姿と歌声に釘付けになってしまった。
懐かしい、というのでもなく、
昔の気持ちを思い出したのでもなく、
今ここの、生きたわたしの感情をただただ感じていた。
そして、預けていたビデオデッキを持ち帰り、それから自宅でも繰り返し繰り返し何度も観ているうちに、わたしは自分の内側からだんだんと大きくなってくる声に気づく。
「会いに行かなきゃ」
わたしに足りなかったものは、封印を解くカギだったのだ。
彼を好きになってはいけない、愛を抱いてはいけない、という固い固い封印の扉。
それを開けるまでは、愛の学びなど活かせるはずもない。
でもその扉を開けるカギは頭で考えて見つけるようなものではなかった。
大切な親友、亡くなって天国にいる友人、そのほかわたしを取り巻き、見守り、支え、愛で導いてくれている存在の力に気づくこと、そして、
人生で大切なことは、無意識・潜在意識、見えない力や自我以上の力が働いて、ベストなタイミングでベストな状況を作り出してくれている
そのことをここで確認する必要がどうしてもあったのだ。
この先のふたりのために。
だから何度も電話やメールを無意識に阻止されてしまった(笑)
翌日、わたしは仕事を終えてから彼に電話をした。
「これから会いに行きます」
あの時の彼の驚いた声と狼狽えていた様子は、自信を持って会いに行こうとしているわたしと面白いほどに対照的だった(笑)
そして、あの最後通告の日からちょうど一週間後の11月のある夜、
その年一番の大雪が降りしきる中、わたしは彼に会いに行った。