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さおりす先生
2019年1月29日 00:20
ドイツの片田舎で神童と言われ育った主人公ハンスは全国のエリートの集まる神学校への合格を二番という席次で掴み、周囲の期待を背負い進学する。その中で多くの挫折を味わい、神経症を患い退学し敗北感とともに帰郷する。しかし、故郷に彼を理解しようとする者はおらず、機械工として働き始めた矢先彼は酒のために誤って河に落ちてしまい、あっけなくこの世を去るーー ヘッセをはじめとしてトマスマンらのドイツ文学の金字塔
2019年1月21日 18:58
人生を語る上で、偶然というものは非常に大きな役割を担っている。私たちは生誕から死まで、確実性を持ち保障されることは何一つない。生まれた瞬間から、国籍、性別、容姿、貧富の差などをはじめとする努力や人智を超えた偶然の格差の元で生まれ、その後も終わりのない偶然の繰り返しの中で我々は一生を終える。この偶然という自然的な性質はカオス的な宇宙の性質の一つの表層であり、そこにひとつの我々と宇宙を繋ぐ物理学的な性
2019年1月12日 13:45
自分自身の死を想像したことは誰しも一度はあるのではないだろうか。そしてその時人は往々にして突然で劇的なものを想像しがちである。 天文学者であるChris impey氏の著作“How It Ends“に次のような一節がある。「人生がコンサートのようなものであったとしても、その結末はクレッシェンドで終わることはなく、大抵の場合は楽器の調子が外れ、演奏家達が列を乱し、音楽が次第に消えていくものだ。