ママ、わたしのどこが好き?
ママ、わたしのどこが好き?
面白くてかわいいところ。
一般的だなあ…他には?
優しくてよく食べるところ。
それも一般的だなあ…もっと他にないの?
……コリスのことは好きだけど、どこが好きかと問われると、月並みな言葉しか出てこなかった。月並みな言葉では、彼女を納得させることができなかった。
本当に好きなの?
言葉で伝わらないのなら、ハグしておこうとごまかした。
午前中、彼女は近所の友だちの家へ遊びに行った。私も家を出た。車を運転しながら考えた。好きと言われても、どこか好きなのか?気になる。納得いく答えをもらえたら、この人は自分のことが好きなんだなと安心できるのだろうか。その納得いく答えとは、それは自分のことだなと認識できる答えのことだろうか。自分のこんなところを好きでいてくれるのか、と驚くような答えだとなお、嬉しいかもしれない。
好きを伝えるって難しい。会ってしまえば、言葉じゃなくても身体で表現することができる。でも、その人のことを考えるのは、その人と一緒にいない時だ。コリスと離れているうちに、コリスのことを考えている。そう思うと、好きな人とも会わない時間が大切だ。その時間に、その人のことを考えることができる。家族も友人も恋人も、一緒に過ごす時間があって、離れている時間があるから、互いの気持ちが育つのだ。
相手のどこが好きか、自分にしか見つけられないところが見つけられたらそれは、いい関係なのかもしれない。他の人が見たら変なところも、自分が好きになれたのなら、本人に伝えたい。コリスはワセリンを足の裏に塗りすぎる。今朝も床にワセリンの足跡がペタペタと残り、夫に怒られていた。
寝る前にワセリンを塗る私を真似して、ワセリンを塗りはじめたコリスがかわいくて仕方ない。行き先を告げるワセリンの足跡が、面白くて愛おしい。そう思えるのは、私だけだろうか。「家をよごすな」と、夫に怒られしぶしぶ足を洗っていたコリス。ブツクサ言ってる彼女もまた、かわいい。
「好き」とは、なんだろうか。
なにをしてもかわいいと思えるのだろうか。ワセリンを塗るから好きなのではなく、好きだからワセリンを塗りたくってもかわいいと思えるのだろうか。私のどこか好き?って質問が愚問なのではないか。
人の答えを「一般的だ」と笑うコリスは、「ぜんぶが好き」と言ってくる。それは、ズルいのではないか。「ぜんぶ」がありであれば、ぜんぶなのかもしれない。でも、ぜんぶを知るわけでもないのだ。だから、ぜんぶとも言い切れないと思ってしまう。
真面目すぎるのではないか。離れている時間に、いろんなことを考えることができて、よかった。本を読みに外に出たのに、どうしても書きたくなった。
相手の「稀」なところ、自分の「稀」なところを見つけにいくワークショップ、私も楽しみだ。コリスの稀を、見つけにいきたい。
9月14日(土)にインターンをしている福岡糸島の「本屋アルゼンチン」で、稀人ハンター川内イオさんに【誰も教えてくれない「聴く」スキル】を学んで、「聴いて」「聴かれる」ワークショップを開催します。
あと2名、お申し込みお待ちしております〜
こちらまで↓↓
▶︎どんな内容?
「稀人ハンター」川内イオさんから、「稀」なポイントを発掘するコツを学んだら、ペアを作り相互インタビューを行います。相手の話を聴いて、自分の話も聴いてもらいます。発掘した相手の「稀」なポイントを、カードに書いて渡しましょう。最後に発掘してもらった自分の「稀」や体験を通して感じたことをシェアしましょう。新たな気付きが生まれるかもしれません。
▶︎参加をおすすめしたい方
・自分のこと、相手のことを深く知りたい方
・聴くスキルを身につけてマネジメントや人との関係構築に活かしたい方(キャリア関係の仕事)
・何かしら探究心を持って生きている方
・稀人ハンターに興味がある方