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今朝、コリスが泣いた。「今日は学校に行きたくない」という。「どうした?」と聞くと、ICTの授業でタブレットを使って2学期に訪れた公民館の仕事についてスライドを作る授業があるそうだ。そこで、「公民館の仕事内容」や、「公民館の人の願い」をスライドに書かなければならない。泣いている理由を訊ねると、「2学期のことは覚えていない、だから書けない」と。たしかに、きっと私も覚えていない。2学期に訪ねた公民館の話を今書くのであれば、当時撮ったメモや、その時のことを思い出す時間があった方がいい。
当時、公民館訪問後に手書きのレポートを書いたそうだ。そのレポートがどこにあるのかわからないという。持ち帰っていたら、捨ててしまったに違いない。先生が保管しているのであれば言ってくれるだろう。
書くことが思い出せないまま、授業の日を迎え、不安が込み上げてきて泣いていたのだ。厳密には、書けないことを責められたり、間違ったことを書いて怒られたりするのが嫌だという。これは、これまで怒られたことからのビビりがある。コリスの先生は怒り方がとても怖い。
コリスと話しながら、ふと思う。怒られない方が怖いよな。怒りをこちらにぶつけずに、腹のなかに抱えられている方がよっぽど怖い。だから、怒りを伝えてもらえるのは、ありがたい。何に怒っているのかがわかるから。自分の失敗を思い出す。「人間だから失敗もするよ」コリスがかけてくれた言葉も思い出す。失敗はどうしてもしてしまう。その後が大事なのだ。失敗したから、本当に学べたこともある。
先生に手書きレポートはとってありますか、と訊ねてみようか?とコリスに提案したが、「NO」。他にもいろいろ案を出したが、首を横に振るばかり。ボロボロ泣いている。朝ごはんの準備をしていると、「ママ、スマホ借りるね。調べてみる」と、『◯◯公民館の仕事』と入力して検索をはじめた。
おお、その手があった、さすが新世代。コリスの横に座り、パソコンを開いてchatGTPに同じ質問を投げた。あれよあれよという間に回答を並べてくれた。
たくさんある回答のなかから、なんとなくでも覚えているもの、こんなのあったかもを、メモして学校に持っていくという。もう涙は流していない。5枚ほどメモをとり、ランドセルに入れると「行ってきまーす」と元気に出て行った。
たくましいな、コリス。
やってしまった、覚えていない、忘れた、思い出せない、人は完璧じゃない。ポンコツまみれの自分がいやになることばかりだ。ああダメだダメだと目を逸らさずに、ピンチの時にも自分にできることをして臨むことが大事なのだ。コリスと共に学ばせてもらっている。
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