未来猫

エピローグ

風が強く吹いている。風の音しか聞こえない。彼女の黒髪がなびく。私は彼女の名前を呼んだ。彼女は振り向く。
「今、私の名前を呼んだの?」
「やっと、見つけた」
 彼女に駆け寄る。彼女は変わらず、彼女のままだった。もう一度、彼女の名前を呼ぶ。彼女は私を抱きしめる。抱かれるのは好きではないが、今だけは悪くない気分だ。
「みらい」
 泣いてるのか、笑っているのかよく分からない表情だ。美人が台無しだ。でも、嫌いな表情じゃない。


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