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禁酒してたくさん食べるようになった

最近、酒を辞めたこともあり、その反動からかやたらと食欲が増進している。(平日にひとりで飲むことを控えているだけで、完全には辞めていない)

僕はもともと食事があまり摂れないストレスから、固形物を避けるように酒に逃げてしまったタチであり、それが一転して飯を食べまくるようになったことに不思議な気分でいる。(僕は20代の頃に胃がんで胃を全摘出しているので、基本的に極めて少食な人生を送っているのだ)

あまり飯を食べない日々を送っていた時は、そんなに食事を摂らなくても人間は生きていけるものだという発見があった。不足する栄養素は薬で補って、後は無理しない程度に食えばいいという発想である。満腹感や幸福感は酒を飲めば代わりに得られる。

しかし酒を飲まなくなったら急に食欲が湧いて「美味いものを食いたい!」という気持ちが頭から離れなくなってきている。

この前も中華料理屋へ行って、ラーメンだけでなく炒飯まで食べ切ってきた。いつもならラーメンだけでも食べ切れるか不安になっているくらいなのだから、不思議なものだ。

こうして久しぶりにたくさんの食事を食べると、世の中には美味いものが本当にたくさんあったんだなぁと感心してしまう。本来は最低限の栄養素を摂って生存することが目的だったはずだが、「満腹になりたい」と欲望は高まり、その欲望は更に高まって「美食を食べたい」と、ここまで来ているのである。

グルメな人や食欲旺盛な人を見ていると、いつもは「そんなに食べてどうする」と冷めた目で見ていたが、いざ自分がたくさん食べられるようになると「生きているうちに美味いものを食べないで何が幸せなんだ」という気持ちになってくる。きっと僕以外の大半がこっちの考えだったのだろう。

たくさん食べると腹は膨れてしまうし身体は疲れるけれど、酒に比べて酔っ払わないので本を読んだりする時間が失われないので、しばらくはこの習慣は続けたいと思う。寝落ちをしそうになるのには気を付けたいが。

そのうちこうして食べまくっていると、食べることに疲れてまた他の何かを求める日がくるかもしれない。

まぁその時はまたその時で、別の欲望が沸き上がってきてくれていると思う。それまではたくさん食べて幸福感を貯蓄しておこうと思う。

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