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物の多い世の中|人の欲望は続く

先日、2年ぶりの引っ越し作業をしていた時、積みあがる段ボールを見て「結構たくさん物を持ってたんだなぁ」と思いました。

あまり物を持っているタイプではないものの、こうして棚卸し作業をすることにより、実は多くの物を所有していたことに気づいたのです。

こうしてあらためて自分が所有している物を眺めてみると「これらに今までいくら払ったんだろう」とか「これら全てを売っ払ったらいくらになるんだろう」といったことを考えます。

資本主義社会は多くの物を生み出し、人々の暮らしにたくさんの便利な物を提供することで発展してきました。

歴史を振り返ってみると、18世紀に起こった産業革命をきっかけに、世の中には物が大量生産されるようになりました。

人々の暮らしの問題や課題を解決するのに、生産された物が使われるようになっていきます。

寒さをしのぐための衣服を生産する繊維業に始まり、交通インフラ構築の需要に応えた製鉄業、交通の要となる蒸気船や鉄道が発展すると、物流も加速し高度な経済成長が促されました。

その後、石油や電気による重化学工業が発展し、フォード社が大量生産工程を取り入れると、更に生産は加速していきます。

私たちが暮らしている現代は、この加速する生産過程を経ている社会の延長線上にあるわけです。

最近は環境保護の観点や「脱成長」というトレンドなど、物質的に豊かになり続ける社会に対してブレーキをかける考え方も出てきましたが、近年勃興したAIの発展などを見ると、やはりまだまだ人類は進歩を辞める様子を見せていません。

結局のところ、人が欲望を持っている限り、企業はその欲望を満たせるように様々な物を生み出し続けます。これからも世の中に物は増え続けていくと思います。

しかし、この様に止めることのできない世の中の流れがあっても、個人でできることをしない理由にはなりません。

日頃使っている食器や洋服を大切に使い続けたり、余計な物を買わないようにしたり、細かいことでもできることはたくさんあります。

世の中が進歩し続けているからと言って、何も自分も進歩についていく必要はないと思います。いらない物は捨てて、本当に必要なものだけを所有して暮らしていけばいいのです。

人の欲望はほぼ間違いなく残り続け、社会はそれに合わせて発展を続けますが、自分の暮らしはコントロールできるはずです。

物を持ち過ぎないシンプルな暮らしは、物質的な豊かさ以上に精神的な豊かさを与えてくれると思います。

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