カプセルホテルは寝ることに特化したサービス
最近は職場で利用しているツールの整理を行っています。会社の拡大にあたって、より高機能なシステムを導入すべく、まずは現在使用しているツールの仕様を確認する作業を行っていました。
新しいツールを導入しようとしているということは、現在のツールに不足している機能があったり、現場からの評判がよくなかったり、そういった事情があって今回の新規導入に至っています。
しかし既存のツールを因数分解するように丁寧に調べていくと、非常に複雑なつくりをしており、随分とニッチなシステムだったことがわかりました。これにより、新規ツールを導入しても、既存ツールが当たり前の様に成し得ていたことを、逆にできなくなってしまう可能性が浮上してきました。既存ツールを利用し続けることになるかもしれない状況に戻りかけているのです。
つまりこの既存ツールのベンダーは、極めてニッチな戦略で我々を含む顧客が離れないよう、繋ぎ止めていたということがわかりました。大手がわざわざやらないことを丁寧にコツコツと実現させていたのです。
確かに顧客の細かいニーズにピッタリとハマる製品やサービスを提供し、費用も抑えることができていれば、大手企業の高額なサービスにも充分に対抗することができるわけです。
僕は普段の出張ではいつもカプセルホテルに宿泊しています。早いうちに予約をしておけば1泊2500円程度で泊まることができる激安な宿泊施設だと思います。
そこに毎日寝泊まりしていてよく思うのは「これで充分」という気持ちです。
清潔なフロアであり、セキュリティは保たれ、シャワーを浴びることができて、歯磨きと髭剃りのアメニティがある。連泊の場合は翌日のベッドメイクもされており、食事をするためのラウンジもあります。
プライベート空間はカプセル内だけなので、部屋でゆっくりすることはできません。基本的には寝るだけです。
しかし、出張に来ており仕事も夜遅くまでなので、仕事終わりに軽く外食を済ませた後にすることなんて、あとはせいぜい寝るだけです。その寝るための環境としてはカプセルホテルで充分だと思います。睡眠の質も非常に高いです。
そしてカプセルホテルは基本的に寝るために来ているので、朝起きたら部屋でダラダラすることもなく、すぐに支度をして外に出ることになります。早めに家を出て、朝食を食べながら読書をする時間を確保できるようになりました。
「安かろう悪かろう」という考え方もあるかもしれませんが、自分のなかにあるニーズとマッチしているのであれば、それは値段以上の価値を得られるようになるわけです。
世の中の様々な大手企業の充実したサービスに対抗するには、ニッチ戦略こそが生き残るカギになるのだ、という割と当たり前のことを、激安のカプセルホテルから学ぶことになりました。
泊まったことがない人は、ぜひ一度試してみると良いでしょう。「これで充分」と思う人も多いはずです。
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