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正論を振りかざす|正論はずるい

最近、仕事で他の部署と業務を進めていくプロジェクトを担当しています。その際は他部署の事情も考慮したうえで業務や議論を進めていく必要があり、慣れないコミュニケーションに苦慮しています。

僕は主に営業に関わる部署で、共に業務を進めていく他部署はマーケティングに関わる部署です。僕が主導しているプロジェクトは他部署にも関わることなので、マーケティング部の社員はいつも協力的な姿勢で携わってくれていたのですが、最近になって雲行きが怪しくなってきました。

スケジュールの進捗が滞ってしまうことはよくあることです。今回も予期せぬトラブルが発生したことで、進捗が滞る可能性が生じ、急遽ミーティングを開催したところ、急にいつもと異なる態度で接してくるようになったのです。

「この作業はそちらが遂行した方が効率が良いので、うちで担当しない方が良いと思う」

「人事から残業の制限を掛けられているため、本プロジェクトに稼働を割くことができない」

これらは社内で発生している事実なので、それを言われると僕は何の反論もできなくなってしまいました。正論に負けたことになります。

それによって、僕が担当した方が効率の良い作業は僕が担当することとなってしまい、同じく人事から残業の制限を掛けられていた僕がサービス残業をすることで、このトラブルを乗り越えることになってしまいました。

言われたことは正しいのにも関わらず、こんなにも腑に落ちないことがあるものなのかと感じてしまった瞬間です。

例えば、病院に勤めている医師や看護師、または救命病棟の医療システムの保守運用を担当している技術者など、人の命に直結した仕事をしている人が、目の前で患者の命を左右するトラブルが発生した時に「残業制限が掛かってるので、申し訳ないがここで退勤します」と言えるのだろうか。そんな極端なことを考えてしまいました。

世の中は複雑であるから、時には個人の判断で困難を乗り越えてもいいものだと思いますが、会社という枠組みのなかで正論を告げられるとなかなか反論することは難しいようです。

一方で、正しくも何ともない人間の感情に左右されてしまう社会でも、多くのトラブルが発生するのは周知の事実です。身分差別やハラスメントなどが該当しますが、これらには正論を持って適切に対応したいところです。

現実と正論のバランスをどの様にとっていくか。自分に都合よく正論を振りかざす人が一定数いる以上、これらが喫緊の課題となりそうです。

正論はずるい。非常に困っています。

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