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2024年10月に掲載された俺の短歌(産経歌壇、日経歌壇、NHK短歌)

2024年10月に掲載された俺の短歌を紹介したい。ペンネームは、石井啄也。

まずは、10月3日(木)の産経新聞の産経歌壇(小島ゆかり選)に掲載された短歌だ。

いつの日も「人の心を種として」短歌が生まれ戦火も起こる

10月3日(木)の産経新聞の産経歌壇

「人の心を種として」というのは、古今和歌集の仮名序という序文に書かれている紀貫之の言葉である。和歌というのは、人の心を種として様々な言葉になるという内容のことが書かれている。

人の心は、素晴らしい短歌を生み出す種にもなれば、憎しみによって戦争の火種にもなる。平和な世界を築くためには、道遠くても人間の心というものを平和を志向する方向に変革していくしかない。そう思っている。

次に、10月24日(木)の産経新聞の産経歌壇(小島ゆかり選)に掲載された短歌だ。

ネックレスをキザ井啄也が着けようとしたけど石井啄也が拒む

10月24日(木)の産経新聞の産経歌壇

以前、YouTubeでスタイリストの人が「キザ山」という架空のキャラでNGなファッションというのを紹介していたことがある。それを見て、昔ネックレスを着けてみようかと思っていたことがあるのを思い出した。

ただ、想像しただけでもやっぱり俺にネックレスは似合わないなあ、と断念したのである。ちなみに、俺はのび太にとてもよく似ているルックスだ。男性の場合、ネックレスは着ける人を選ぶ気がするのである。そんな心の動きを短歌にした。

次に、10月26日(土)の日本経済新聞の日経歌壇(穂村弘選)に掲載された短歌だ。

出航の前夜自宅の窓ぜんぶ開けっぱなしで寝ているペリー

10月26日(土)の日本経済新聞の日経歌壇

俺は、歴史が好きで歴史上の人物について想像した短歌もたまに作っている。この短歌は、日本の開国という任務を受けたペリーが日本へ出航する前夜、験担ぎに窓をぜんぶ開けていたんじゃないか、と想像した短歌である。この短歌に、選者は次のような評もつけてくれていた。

歴史上の人物を想像するタイプの歌がある。「開けっぱなし」と、日本への開国要求が遠く響いているような。

10月26日(土)の日本経済新聞の日経歌壇

最後に、『NHK短歌』2024年11月号のテーマ「文字」(俵万智選)に佳作として掲載された短歌だ。

短冊に書かれた夢のどれよりも濃くて大きな字で「正社員」

『NHK短歌』2024年11月号(NHK出版)

実際に短冊に書かれていたわけではないが以前、派遣社員をしている友達が言っていた「正社員になるのが夢」という言葉の切実さに胸をうたれ、その言葉が忘れられなかった。その事を短歌にした。

選んでくれた選者の皆様に心から、感謝したい。

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