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ジョージ・オーウェル『一杯のおいしい紅茶』小野寺健編訳

紅茶、インド産かセイロン産の茶葉、ミルク、一杯の濃い紅茶、砂糖、塩、胡椒、ビール、キッパー[ニシンの干物。朝食によく出る]、ヨークシャ・プディング[皮だけのシュークリームのようなもの。ステーキの付け合せとして、熱いのを賞味するのがふつう]、デヴォンシャ・クリーム[濃厚な固形クリーム]、マフィン[小さな円形の軽焼きパン。二つに割ってバターをつけて食べる]、クランピット[一種のホットケーキ。日本のいわゆるホットケーキよりは厚く、バターをつけ、トーストにして食べる]、クリスマス・プディング、トゥリークル・タート[糖蜜入りのパイ]、アップル・ダンプリング[リンゴ入りの茹で団子]、ダーク・プラム・ケーキ[干しブドウが入っている]、ショート・ブレッド[バター・クッキー。ビスケットと思えばいい]、サフラン・パン[やはり一種のビスケットと思われる。サフランの風味があるのだろうか]、肉片の下にポテトを置いてロースト、ポテト・ケーキ、ハッカ、溶けてきたバターかマーガリン、ブレッド・ソース[パン粉を入れた濃厚なソース]、ホース・ラディッシュ・ソース[西洋ワサビが入っている]、ミント・ソース、アップル・ソース[肉などにかける]、レッド・カラント・ジェリー、兎肉、マトン、漬物、ハギス[羊、子牛などの臓物を刻み、オートミール、胡椒などといっしょにその胃袋につめて煮たもの。巾着のような格好をしている]、ダブリン・プローン[海老の一種]、オクスフォード・ママレード、カボチャジャム、黒イチゴジャム、ソーセージ、スティルトン・チーズ、ウェンズリーデール・チーズ、イギリス産のリンゴ、コックスのオレンジ・ピピン、ヒメウイキョウの種で風味をつけた細長くて大きなユダヤ・ローフ、黒蜜色のロシア・ライ・ブレッド、イギリス産のコテッジ・ローフ[おそなえ型に重ねたもの]の柔らかな耳のところ、ウオツカ、燕の巣のスープ、スエット・プディング[牛、羊などの腎臓や腰肉などをいれたもの]、ポテトチップスと不味いサンドイッチ、レバ・ソーセージのサンドイッチ、貽貝いがい、チーズ、ピクルス、茴香ういきょうの種が入っている大きなビスケット、薄い肉の輪切りに野菜二品、ジャム・ロールパン、ドラフト・スタウト[樽出しの黒ビール]、樽出しのリンゴ酒、⋯⋯。

――ごちそうさまでした。

参考:
ジョージ・オーウェル『一杯のおいしい紅茶』小野寺健編訳(単行本)、朔北社。
一九九五年一月一〇日 第一刷発行