「冬の「自然のかたち」三選」 「日光光徳小屋からのお便り」2009.04 ②
光徳小屋 四代目管理人 堺惠子
また、光徳小屋周辺の鹿は、秋まで夜な夜な斜面に出没し、多い時は15頭もの姿がありました。 冬になり雪が降り始めると、除雪された小道を鹿道と決めたようにいくつもの足跡が見られましたが、徐々に雪が積もってくると笹を食べに小道から雪の中に入りかけ、「うおっ!深い!」とばかりに小道に戻ったような形跡があったり、小道脇の笹を雪から掘り出して食べたような跡があったりすることが随分と続きました。 ところが一気に積雪量が70㎝となった日からぱったりと足跡が見えなくなり、3月末でもまだ姿を見ていません。 昨年は冬中斜面のモミの大木の下に、枝の皮を食べた跡や、フンが落ちていたのですが、きっと今年はみんな揃って足尾などいろは坂下の暖かいところに移動したのでしょうか。
さて、冬に見つけた「自然のかたち」三様です。 自然界にある、自然界でできる「かたち」には感動することがしばしばです。
晴天の冬景色の中、青い空にぽっかりと浮かんだ雲の「かたち」は、ほわほわで、可愛くて、追いかけて行きたいような、食べたいような、心がわくわく、まぁるくなるようなひとときをくれました。
氷が作り出した「かたち」は、石にできたサルノコシカケ? それとも白い牡蠣の殻? どうしてこんな「かたち」になるのでしょう? 融けてしまうのがもったいなくて、何度も見に行ったことでした。
そして擁壁に降り積もった雪に雨がいたずらしたポケット。 一体どんな大事なものを入れるのでしょうか? それとも鳥が巣作り? 触らないようにそっとしておいたのですが、暖かい陽射しに1日であっという間に消えてしまいました。
また、この冬戦場ヶ原の国道沿いは大賑わい。 キレンジャクの群れがズミの実を求めてやってきました。 道路の雪解け水を飲んだり、他の鳥と一緒にズミの実をついばんだり。 カラス類より大きめな鳥ですが、双眼鏡を覗いてみると、きりっと凛々しいにくいヤツ。 レンジャクでも尻尾が黄色いキレンジャク! 今年度最後の嬉しい出会いでした。 道路脇には、これを目当てのカメラマンも群れていました。
平成20年度の小屋利用は、利用者総数、延べ宿泊数とも3年間の最高となりました。 新しいお客様、リピートしてくださるお客様。 楽しい出会いと時がありました。
4月を前にやっと木々の芽吹きも始まったようです。 今年度も皆様のご利用をお待ちしております
山桜通信31号 2009年4月
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