見出し画像

「たくさんの訪問者(動物たち)に感動」 「日光光徳小屋からのお便り」2008.05 ①

光徳小屋 四代目管理人 堺惠子

 3月下旬、奥日光は木々の枝先が赤みを帯びて、いろは坂を下るにつれて色合いは増し、もうすぐ春!の気分です

 今シーズンは、1月に雪が少なく楽々越冬?と楽観していたところ、2月に入り毎日のように雪が降り続き、最高積雪量は98㎝にもなりました。 気温はマイナス10度を下回る日が続き、降り積もった雪は融けずにどんどん積もっていきました。 ところが、3月に入り、春の日差しにあっという間に嵩を下げて、あちらこちらに土が現れたのには驚きでした。 今年の雪融けはすごい速度で進んでいます。

 3月の雪はふわふわとして、朝10㎝ほど積もっていた雪が夕方には消え、木々の枝に降り積もった雪は、居場所がなくなったなぁとでも言っているように、風に飛ばされ、舞うように姿を消していきます。

 冬の驚きは地面が浮き上がることです。 霜柱で持ち上げられるのでしょうか、地面が上がったまま凍るので、光徳小屋周辺の地面が一面腫れ上がったようになるのです。 昨年、雪融けになったら突然ぼこっと土にはまり、「うわっ!」と驚いたものですが、今年はその面積の広いこと。 あちらで陥没、こちらで陥没(といっても10㎝から20㎝程度の深さ)と小屋周辺はボコボコ状態。やはり昨年より寒かったのですね。 これでは地面を平らにしようとしても、1年しか持たないなぁなんて、仕方のないことを考えていました。 冬は地面が上がるからねと言っていた地元の方の話が、「うん」と、実に実感できたものでした。 自然の力は、目のあたりにしないければ理解できないものですね。

 雪の結晶を見たことがありますか? 気温の低い時に降る雪は、まさに絵に描かれたように正確な幾何学模様を見せてくれます。 雪の結晶は同じようで、決して同じものは無いそうです。 それはそれは美しく、瞬間、別の新しい世界に入り込んだような気分に陥って、寒さも時間も忘れて見入ってしまいました。 冷え込んだ時に雪が降ったら、黒いものに受けて観察してみてください。 感激すること請け合いです。 できれば近年中に写真を撮って、日光光徳小屋の雪の結晶をご覧に入れたいと思っています。

山桜通信29号 2008年5月


光徳小屋のシンボルツリーのハルニレの木


戦場ヶ原の地吹雪


厳冬期の中禅寺湖


光徳小屋周辺の湿地帯の地吹雪


凍る湯川


厳冬期の戦場ヶ原から望む男体山


美しい氷の造形


厳冬期の光徳小屋


2月の中禅寺湖


厳冬期に雪から笹を掘り出す鹿


厳冬期の光徳小屋周辺


光徳小屋からの男体山


シンボルツリーのハルニレの木


ふんわりと積もった美しい雪


雪は風で飛ばされます。


春間近のハルニレの木

「「日暈と蛍やアサギマダラに感動」 「日光光徳小屋からのお便り」2007.11 ②」から

「「たくさんの訪問者(動物たち)に感動」 「日光光徳小屋からのお便り」2008.05 ②」へ

#学習院大学 #学習院高等科 #学習院大学山岳部 #学習院高等科山岳部 #学習院山岳部 #学習院山桜会 #山桜会 #大学山岳部 #高校山岳部 #登山 #アウトドアでたのしむ #アウトドア #山であそぶ #山岳部 #山 #自然 #光徳小屋 #学習院光徳小屋 #日光・光徳小屋 #日光光徳小屋 #日光光徳小屋からのお便り #奥日光 #光徳 #nikko #kotoku

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集