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「光徳小屋の紅葉」 「日光光徳小屋からのお便り」2012.10 ②

光徳小屋 四代目管理人 堺惠子

 7月。肌寒く雨の多い毎日に「梅雨ですか?」とつぶやいていたら、ががんと暑い日が! それでも光徳小屋の朝はすがすがしく、ひんやりと緑に包まれた風景の中で心穏やかなひとときに浸ります。 夏色におさまった国道は、ホザキシモツケのピンクで完成され、戦場ヶ原はこれからしばらくの間ホザキシモツケの独断場です。

 斜面には、ふっかふかのスギゴケ。 そこを好んで生えたようなとってもかわいい小さなキノコ? 「タヌキがいるよ!」とお客様の声でしたが、とうとう姿を現したのはアナグマ君。 ミミズが大好きで手を使って地面を払い、鼻で穴を掘り食料ゲット! 敷地のあちこちの穴の正体にやっと確信が持てました。

 下旬、歌手の「一青窈さん」が小屋を訪れました。 お父さんの「顔恵明さん」の思い出の場所を巡って、最後に光徳小屋にたどり着いたとのことでした。 佐久間さん、井ケ田(文)さん、高木さん、白石さんが参加されて、思い出話に花が咲きました。
 追伸、「一青窈さん」から高木さん宛に来たお手紙には『あんなに素敵な仲間に囲まれて父は幸せ者だなぁ、としみじみ感じた光徳小屋でした』とあったそうです。

 8月。 猛暑だ! 酷暑だ! 残暑厳しく! こんな言葉がたくさん耳を通り過ぎました。 今夏、光徳小屋も30度超の日が多かったのですが、やっぱり高度1500m弱の光徳小屋は朝夕涼しく、なんとストーブを焚くこともありました。

 群落となったシロヨメナの白は美しく、3年ほど前にぽつんと斜面からツルが伸びだした2本の、イケマは今年も面積を広げました。 早く花を咲かせてね♪ひらひらと舞うアサギマダラの食草なので、飛んできてくれると嬉しいなぁ♪ 湯ノ湖湖畔では、光を受けてキラキラと輝くクモの巣ハンモックを、敷地内では花火のようなコシアブラの実を見つけました。 実が可愛くてドライフラワーにしたいような・・・

 カラマツの鹿食害。 もう1本もやられたねとお客様に伺い、見ると残っていた樹皮がしっかり食べられていました。 来年は新芽が芽吹かず、隣の枯れ木と同様になるでしょう。

 9月。 雨模様のここ数日。 未明、トタン屋根にバタバタと雨音がして目覚めるとひんやりとした部屋の空気に季節の移ろいを感じます。 シロヨメナを残して花々は姿を隠し、夏はあっという間に走り抜けました。 すでに長袖、紅葉はすぐそこまで来ています。

 早朝の日光光徳小屋。 まだ朝日を受けない地面は、すでに草紅葉色で、山々の柔らかくなった緑が光徳小屋を包んでいます。 気の早いナナカマドは緑色から黄色、そして赤へとグラデーションをちりばめて、今年の紅葉の具合を占っているようです。 緑の斜面にふかっとしたものが動きます。 そっと寄っていくと狐くんのシッポ♪うふっ♪♪ 光徳小屋周りでのはじめての出会い。 毛並みよく、若い個体と思えましたが、気づかれて、ぴょんぴょんと逃げられてしまいました。

山桜通信38号 2012年10月



7月は過ごしやすく美しい季節です。



7月は花が多い季節です。



7月の湿地帯は清楚な花がいっぱいです。



湿地帯には食虫植物が。



森の中では、サルナシが実っていました。



切り株にも苔が。



アザミには蜜が多いのかも??

「「光徳小屋の紅葉」 「日光光徳小屋からのお便り」2012.10 ①」から

「「秋の熊棚と厳冬期の光徳小屋」 「日光光徳小屋からのお便り」2013.04 ①」へ

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