「倒木更新とワタムシのお話」 「日光光徳小屋からのお便り」2009.10 ①
光徳小屋 四代目管理人 堺惠子
4月、雪解けの季節・・・。ところが今年はエイプリルフールの1日に一気に20㎝の降雪。 どうしたことかと思っていると、粗い雪はあっという間に融けて、緑が見え始めた斜面は春が勢いよく走ってくるようでした。 神様の気まぐれだったのでしょうか?
雪がなくなって鹿もお目見えした頃、光徳小屋裏に、なぁんとなく気配を感じて出てみると、うわっ!猿の軍団が大きな木3本に鈴なり・・・ 見事でしたが、一斉に降りて向かってきたらちょっと怖い。 中善寺のスーパー前では窓を開けたままで駐車したら、あっという間に車内に1匹の猿が。 10個ほど置いてあった飴は見事に袋を残して中身なし。あ~~あ。
春の散策で出かけ千手ヶ浜方面。 ふと森の奥を見ると倒木。 その倒木から新たな木が育っています。 北海道でよく知られる倒木更新。 奥日光でも所々で見られるそうです。
倒木の上に種が落ち、実生が成長するもので、倒木の上一直線に樹が並びます。 地面に落ちた種は笹等により、太陽光を充分に浴びられず、なかなか成長できないのです。 しかしこの倒木周りは笹がないのでどうして? これだけ? と疑問ですが、鹿の食害が大いに関係あるのかなぁと思った次第です。 また、長い年月で倒木は朽ちてなくなり、その礎とした木の形に、上に生えた樹根が残り、地面から起き上がった「根上がり」と言う状態になるそうです。 ぜひ見てみたいものです。
どこの大空も感動の変化を見せてくれますが、奥日光の空は風景に溶け込んで素晴らしい絵を作り出してくれます。 男体山、太郎山、絵になる山々の上で様々に変化していきます。 そして、今年は小屋から男体山方面に素晴らしい虹が現れました。 スポ健の授業で来ていた学生たちは大喜び、夕日を受けた虹でした。
タチツボスミレやツボスミレ、シロバナノヘビイチゴから始まった奥日光の花々は今年も可愛く美しい姿を見せ、戦場ヶ原や小田代ヶ原では、花の数がぐっと増えました。 黄色く光るウマノアシガタ、ワタスゲの白い絨毯、アヤメも一面を紫色に変え、白い猫じゃらしのようなイブキトラノオが揺れ、ミズチドリ、ハクサンフウロ。 数々の花たちに出会えるのは心がほっこりとして、来年もまたねと声をかけてしまいそうです。 そして秋、ホザキシモツケが素晴らしい草紅葉になりました。
山桜通信32号 2009年10月
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