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光徳小屋の集いに思うこと

学習院大学山岳部 昭和47年卒 秦野郁郎

 恒例となった「光徳小屋の集い」が2月12日から14日に行われました。 今年は例年になく雪が少なく、とはいっても光徳小屋の周りで60センチから70センチ位で、気温が低いためサラサラの粉雪であり、白銀のゲレンデを刻むシュプールに高く舞い上がっていました。 光徳小屋の中ではストーブが焚かれ、朝から小宴会が始まり、深夜まで談笑が続きました。

 剛の者4人は中宮時二荒山神社から雪の男体山を目指し、見事攻略しました。 今冬からは、光徳小屋の管理人の市川さん(小田原高校山岳部OB)が越冬してくれていて、何一つ不自由することなく雪の三日間を満喫することができました。

 今後の集会は6月及び11月の第二金曜日~日曜日を予定しています。 萌える新緑の白樺やカラマツ林。 黄葉のブナ・ミズナラ林を散策していると鹿や野猿に出会うことも珍しくありません。 里山から深山高峰まで、あまたのアバンチュールを楽しめる光徳小屋に皆様と集まれることを楽しみにしております。

 実は私は、大学を卒業して20年ほど山桜会にご無沙汰でした。 75周年記念に誘われて山桜会に出席した際、光徳小屋の利用者が少ないため、学校は光徳小屋を閉鎖するかもしれないと聞きびっくりしました。 私が現役だった昭和43年から47年頃は、毎週末に研究室やゼミごとの貸切等で年間3000人近い利用者が楽しんでいたのに、その頃は年300人にも満たないと言う利用状況だったのです。

 多くの山桜会会員の方々が、学校と協議し、種々対策を練り努れた結果、閉鎖は免れ、昨年は利用者が500人を超えるところまで回復してきました。 しかし利用者の大半はOBOGであり、現役の学生の利用は1割にも満たない状況です。 光徳小屋の今後を考えますと、もっと元気な学生や若い人たちの利用の増大を図らないと将来的な展望は開けないように思います

 一方、一時は部員がいなくなり活動の存続が危ぶまれていた男子高等科山岳部の現役部員6名が雪の光徳小屋で三日間の合宿行ったと言う嬉しいニュースがありました。 またその前週には大学山岳部の女子部員が厳冬の奥白根山に光徳小屋から挑戦したこともわかりました。 山桜会の大先輩のお話ですと、昔は中等科の少年たちが先輩に連れられて光徳小屋に来て自然が好きになり、いつの間にか山の虜になって、山岳部の卒業生になることがよくあったそうです。

 昨年光徳小屋は60周年を迎えました。 これまで幾多の人々が光徳小屋に集い、愛し、楽しんだことでしょう。 これからも市川さんと協力して、光徳小屋の四季の自然の素晴らしさを、大学だけでなく女子大学や中高等科の若者たちにもアピールして、ひとりでも多くの人たちに光徳小屋を楽しんでもらえるよう微力を尽くしたいと思います。

山桜通信8号(1997年5月)

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