「たくさんの訪問者（動物たち）に感動」「日光光徳小屋からのお便り」2008.05 ②

2024年10月25日 06:00

光徳小屋　四代目管理人　堺惠子

　時は戻りまして昨年９月、すでに秋の気配の中、日干し中の雨傘に寄っては離れを繰り返し、ひらひらと優雅に舞う１匹の蝶々。なんと翅が透けているのではありませんか。知らなかった！アサギマダラの翅は絹のように美しく透けるんです。日光光徳小屋で初めて見つけた１匹でした。

　台風の洗礼を受けた後にやってきた紅葉は心なしか元気がなく、今年は外れ？と地元でささやかれ始めたのですが、１０月中旬からの冷え込みで一気に加速。例年にない美しさとなりました。日光光徳小屋周辺には、ツタウルシがたくさんあり、とてもカラフルな色彩を見せてくれます。特に敷地内の３本の美しさは見事で、ぜひご覧いただきたい逸品です。

　紅葉が過ぎ、季節はどんどんと冬に向かう頃、小道にはミズナラのどんぐりが、小雨のように降りました。昨年はどんぐりの当たり年だったそうで、この辺も熊が出るよ！なんて脅かされていましたら、本当に三本松付近で鉢合わせしちゃった人が！昨年の春には私たちも子熊を見かけましたが、秋に出遭ったのは交通事故にあった毛並みもよくかわいい子狸でした。獣道を横断しているような道路で、本当にごめんなさいねと呟かざるをえませんでした。

　さて次の写真中心部の木の枝に止まっているのは何でしょう？一瞬で分かった方には商品が・・・？ある日、光徳小屋の周りにお猿さんが集合。まぁ写真でも撮っておこうかとカメラ片手にこっそりと外に出たら、まだまだ人慣れしていない光徳のお猿さんたちが一気に逃げたのですが、こともあろうに赤ちゃん子猿、木のてっぺんに逃げたとさ。そうなんです。こんな細い木の枝の先まで登ってしまったのです。下ではお母さん猿らしき声がキーキーと。けれども下には私がいて下りられない。かわいそうとは思いつつ、可愛いいなぁなんて、しばし眺めてしまいました。どうして枝がしならないのでしょうね？不思議？

　ご覧になられた方もおいででしょうか、昨年秋には皇室スペシャルで、昔、美智子さまがご静養の際のお話の中で、日光光徳小屋が放映されました。

　また、昨年の秋から日光上空のヘリコプター遊覧飛行が始まりました。乗られた方はとても感激されたとのことでした。私も紅葉時季を少し外れて乗ったのですが、それでもなかなか素晴らしく、今年は絶対に真っ盛りに乗りたいと思っています。

山桜通信２９号　2008年5月