強迫神経症たけなわ
集合住宅(ワンルーム)住まいの私はいま、隣の老人Aに苦しめられている。一方的に苦しめられているという被害者意識の膨張をどうすることも出来ない。壁を隔てた隣室にAが存在している気配を感じるだけでも不快になる。消えてほしいと願っている。どうしてこれほどの嫌悪に駆られなくてはいけないのだろう。
「他者ノイズ」へのこうした異常な囚われは、いまになって始まったことではない。もうすでにこの厄介な症状とは六年以上も付き合っている。だから病識は人並み以上にあるつもりだ(威張るな)。専門家の診