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「映画感想」そして僕は途方に暮れる

今回は大いに「ネタバレ」を含みます。
最後までは言わないけど、観ようと思っている方は、ここから動画まですっ飛ばして(笑)



主人公 祐一(藤ヶ谷太輔)は、ヤバくなると「逃げる」同棲相手の里美(前田敦子)に浮気を責められ「話し合おう」と言われると直ぐにその場から逃げ出した。

「はっ?違うだろ?」
と思う。

定職もなく行き場を失くした祐一は、今度は親友の伸二(中尾明慶)の家に転がり込んだ。何の反省もなく居候なのにやりたい放題だ。
今度は伸二がキレる。当たり前だと思う。居候のくせに洗濯もトイレットペーパーの補充もゴミ捨ても伸二にやらせてたのだから。キレられるとまたも、祐一は逃げる。

とにかく彼は「逃げる」

自分に都合が悪くなると「逃げる」
責任感の欠片もないどうしようもないダメ人間に私の目には写る。そのくせ、意見だけは一人前に持っている。

「お前に言われたくない」
映画の中で祐一が投げつけられた言葉。
私も思う。お前のような人間に語る資格はないのじゃないか。

次に転がり込んだ先は、祐一の先輩のアパートだ。
今度の祐一は先輩に気に入られようとペコペコと先輩に尽くす。洗濯物は乾燥機に掛け、足りなくなったティッシュペーパーは買って来る。
カメレオンのように身を変えて、生きていく。
逃げる上にズルいのだ。
でも尽くしたつもりの先輩とも、いざこざを起こして逃げ出す。
祐一は「逃げる」度に自分が今まで生きてきた「人間関係」もメンドクサイと切っていく…

どんどん孤独に陥り、どんどん人として落ちていく祐一。

どうしようもなくなった彼は、たった一人の理解者で味方の母親(原田美枝子)の元に身を寄せるが、優しいだけだと思っていた母もまた孤独から変な宗教に走っていた。

祐一は、たった一人の味方のその母からも「逃げる」

彼が行き着いた先は、母を捨て、祐一達子供(姉は香里奈)も捨てた父親(豊川悦司)の元だった。
その父もまた、逃げて逃げて逃げまくった人生の破綻者だ。

果たして、この逃げまくった無責任な男の末路は……

「面白れぇ〜じゃないか!」


原作、脚本、監督 三浦大輔


身勝手で無責任で、何の魅力も感じないはずの主人公なのに観てしまう。不思議な映画だ。
それだけにラスト「だけ」が、非常に惜しい!
Kiss-My-Ft2の藤ヶ谷太輔が、こんなに上手い演技をするとは思わなかった。

「この辺で止めておこうかな?」
と思っても、ズルズルと飽きずに魅入ってしまう。

「面白れぇ〜じゃないか!」


三浦大輔の演出の巧みさと藤ヶ谷太輔の演技力にヤラレたような作品。

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