「侵入者たちの晩餐」【テレビドラマ感想】
「侵入者たちの晩餐」感想
お正月スペシャルドラマ
脚本 バカリズ厶
(ミステリー、サスペンス好きだけど暗くならない明るくて、くだらないドラマ(失礼)を探した結果、薄ぼんやりながら観られた一作 笑)
【あらすじ】
家事代行サービス会社に勤務する亜希子(菊地凛子)は、同僚の恵(平岩紙)から、社長(白石麻衣)が脱税をはたらいているとの噂を聞く。そして、その金をタンス預金で自宅に隠し持っているらしいと…
常日頃から、会社の方針や勤務状況に不満を抱いていた亜希子は恵とその友人の香奈恵(吉田羊)と共に、そのタンス預金を盗むために社長宅へ侵入する。
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三人の女性の会話が身につまされるのだが、とにかく軽快で面白い。リズムよくぽんぽんと話は進んでいく。
都会で女一人、生きていく大変さと元アイドルを利用しながら悪どいことをして成功した社長との比較も絶妙だ。
ただミステリー好きとしては、億ションの電子キーが直ぐにコピー出来たり(我が家は安アパートだが電子キーを失くした際、コピーに数日掛かった)この程度の家事代行サービスで三億もの現金をタンス預金出来るものか?との現実離れを感じ得ずにはいられなかった。まぁ、コメディと捉えれば惹きつけるに充分な出足ではないかな?特に女性の気持ちが良く描かれていると思う。
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年の瀬、社長宅へ侵入した三人は、部屋の広さや調度品、靴等に感嘆のため息をあげ、その後は実にのびのびと呑気にしている。いくら一週間、社長がハワイへ旅行していて留守だとは言え、泥棒に入った先で、こんなに呑気にして居られるものだろうか?まぁ、そこが面白いんだけど(笑)
「三億」を探し回る三人だが、結局社長のタンス預金は何処からも発見されない。それどころか、社長が寄付をしていたと言う賞状が出てくる。社長は良い人で「脱税」は噂だけだったと思った彼女達は、何も盗まずに一旦、社長宅を後にする。
「なんだ、社長、良い人だったんじゃん!」
ところが、帰り道で亜希子が言う。
「もう一度、社長の家へ戻りたい。私達、社長を疑って悪いことをしたんだから、お返しにお掃除したい!!」
亜希子は家事代行サービスの清掃部門を担当している。掃除のプロだ(恵は料理担当)
この三人は「不法侵入」と言う罪を犯しながら良いことをして、なんとかそれを「チャラ」にしたいと思っている。法的な「罪」ではなくて、自分自身への贖罪、言い訳だ。
三人は納得して社長宅へ戻り、亜希子は掃除を、恵は冷蔵庫の賞味期限が危ない物で、得意の料理を作る。これが彼女達の「侵入者たちの晩餐」だ。
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さて、ここから物語がまた急展開を始める。実は、この家に侵入していたのは、彼女達だけではなかった。もう一人、事業に失敗して宅配便の仕事をしていた男が、この家の金を狙って侵入していたのだ。
急いで隠れた男を香奈恵が発見する。
「泥棒!!」
いや、お前達も元は「泥棒」に入ったんだけどね(笑)ガムテープで口を塞がれ縛られた男の前で、またのんびりとしている三人の元へハワイ旅行へ行っているはずの社長が帰宅する。
恵の情報には誤りが多い(苦笑)社長がハワイへ行くのは次の日だったのだ。
急いで家のあちらこちらに隠れた三人とリビングの小さなクローゼットに押し込まれた泥棒。その中で、社長は白ワインを飲みながら、ゆっくりと明日の旅行の支度を始める。
「キャーーー!!」
扉が開かれ、クローゼットから発見された「泥棒」そして、まだもう一人居た侵入者は誰だったのか?
この五人に対してとった社長の決断は?
意外な結末が待っている…
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バカリズムらしい軽快なテンポで、熱があっても充分に楽しめた分かり易い物語。
後半のオムニバスのような展開は初期の小気味よい三谷幸喜を思わせる。
社長役の白石麻衣が可愛い上に面白い(笑)
「ぎりぎりセーフ」
このセリフも楽しんで欲しい(笑)
昨日は沢山のお見舞いコメントをありがとうございますm(__)m病院行って来ます。
じゃぬーん♪