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ルックバック【映画感想】



【あらすじを追いながらの感想】

小学校4年生の藤野歩は、学年新聞に4コマまんがを連載していたが、その画力とストーリーで同級生達から絶賛を受けていた。

漫画家か〜
夢を見る藤野


ある日、藤野は担任教師から不登校の隣のクラスの生徒 京本の4コマまんがを学年新聞に掲載したいと持ち掛けられ、その京本の圧倒的な画力に驚く。悔しくて溜まらない藤野は、その日から漫画の練習に没頭していく。

藤野はこの時、京本の天才的な画力を知ったのだろう。優れた人間が自分よりも優れた人の才能を発見するのは、よくあることだ。
しかし「努力する」力を持っている人もまた天才だと私は思っているのだが…


藤野は

とにかく描く!!


この映画は、ただでさえ一時間にも満たない短い物語なのに「背中」のシーンがやたらと多い。台詞も少ない。それは、ただ描いているからだ。

4年生、5年生、6年生…
藤野は、貴重な小学生時代をひたすら漫画を描く為の練習に費やしていく。

この時、私の頭の中に或るnoterさんの姿が浮かんだ。尊敬するこの方 だ↓


毎日、死と向かい合う厳しい闘病生活の中で「描く」事への情熱を持ち続け努力を重ねていらっしゃる。素晴らしいクリエイターさんだ!!
微力ながら私にも応援させてくださいね♡

※勝手にご紹介させて頂きましたm(__)m
ご迷惑な場合はコメントくださいね。削除させて頂きます。


さて、話を映画に戻そう


卒業式の日、担任教師から藤野は京本へ卒業証書を届けるように頼まれた。京本の部屋の前で4コマまんがを描き、ドアの隙間からその漫画が京本の部屋へスルリと入ると彼女は藤野が来ていることに気付いて、勇気を奮い立たせて部屋を飛び出る。
これが運命の扉が開いた瞬間だ。

「藤野先生!!」


見たい見たい見たい!
藤野にすがりつく京本の必死さが
可愛い♡



京本にとって藤野は同級生と言う存在ではなく漫画の先生、尊敬する人だったのだ。
「サ、サインしてください」
そう言った京本のドテラの背中へ藤野は
「藤野歩」
と大きくサインする。
こうして二人は距離を縮めていく。

この後、
「あ、雨が降ってきたから、帰る」
素っ気なく言った藤野の表情、其処からの歩みの変化が素晴らしい。
天才だと思っていた京本に「先生」と呼ばれ努力が実った事が嬉しかったのか、仏頂面で歩いていた藤野の脚はスキップに代わり、走り出す。



中学一年生、未だに京本は不登校だが藤野にだけは心を開き、やがて二人は13歳の若さで、ある漫画の賞を取りデビューを果たす。
藤野のペンネームは

藤野きょう


京本を思いやったペンネームだとすぐに気付いた。
この賞の優勝賞金は百万円。
中学一年生にとっては、とんでもない額だ。
藤野はこの中から十万円を下ろし、人が怖い京本を連れ出して街へと繰り出す。

「クリームくらい、いくらでも私が食べさせてあげる」
「京本も私の背中見て成長するんだな」

藤野は京本が天才だと知っているのに、京本を手放したくないためなのか、いつでもイニシアチブを握りマウントを取っている。


繋いだ手


しっかりと繋ぎあっていた手が


やがて、離れる
時がくる


突然だが、


私には小学校三年生の時に転校してきた、ちーちゃんと言う親友が居た。


この映画を観ながら、ずっと思い浮かべていたのが彼女の事だった。
人よりもおマセで、誰よりも流行や情報に敏感で、私に色んな事を教えてくれたのが、ちーちゃんだった。
ずっとずっと手を繋いでいたかった。
それなのに、その手を離したのは私の方だったのかもしれない(泣)

「藤野ちゃんを頼らずに、一人で生きてみたい」
京本もまた、ずっと二人、二人三脚で漫画を描いてきた藤野へそう告げて去っていく。

背景画を学ぶために京本は藤野の傍から離れ、美大へと進学していった。

そして悲劇は起きた。
起きてしまった。

藤野はその事実を「私のせいだ!!」
と京本を部屋から出してしまった自分を責めるが、京本が言った

「藤野ちゃん、部屋から出してくれて、ありがとう。凄く凄く楽しかったよ」

これが全てなのだと思う。


友情とは結果ではない。
生きる過程だと私は思っている。藤野に出逢えた京本は、その時間、そして、それからの未来もきっと幸せだったに違いなかったと信じている。

「ルックバック」
友情とは、努力とは、描くとは、生きるとは…
全ての答は、私達がそれぞれの胸の中にそっとしまって置けばいい。
多くは語らないつもりが1900文字以上も語っている(苦笑)
とにかく、この映画、誰しもが心の何処かに突き刺さるシーンが必ず一つはあると思う。

私もちーちゃんのためにも、これから書き続けたい。
藤野がこれからもきっと描くように。




「sanngoちゃん、私達二人で小説書かない?」

中学生の時に、ちーちゃんに持ち掛けられて私達は二人で、コラボ小説を書いた。



ちーちゃん、私は書いてるよ。
あの頃のように二人じゃないけど(泣)
一人きりで、これからもきっと貴女の分まで書き続けるからね。


時を経ても、思いは重なる。

#なんのはなしですか




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