「ショート」雪化粧#シロクマ文芸部
雪化粧が施された歩道の上にてんてんと赤い血が何処までも続いている。俺は滑らないように気をつけながら、その跡を辿って歩いている。
誰か怪我をしたのか?
それとも何かの事件か?
今朝、久しぶりに積もった雪が嬉しくて、早起きして新聞を取りに外へ出た。
「あれ?」
その時見つけた真っ白な雪の上に残る小さな赤いシミ。
「血?何だろ?でも、うー、寒い!」
家の中へとって返し新聞をキッチンのテーブルの上に放り投げて、珈琲を淹れようとガスコンロに火を点けた。だが、どうしてもあの赤いシミが