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WBCを追いかけた日

我が家には、テレビがない。見たいドラマはネットで配信していることも多いし、ニュースもウェブで読めるし、ここ最近はスポーツ観戦も生ライブ配信が多い。だから、インターネット環境とパソコンさえあれば、とりあえずテレビはなくても良いかなと思って生活している。

そんなわけで、日本中が(少なくともわたしの周りはとても)湧き上がったWBCもアマプラのネット配信で観戦した。最近のネット配信の良いところは、つけたタイミングから後追い再生もできちゃうところ。

わたしは聴覚障害があって、機械音声を聴き取ることが苦手。特にスポーツの実況は、早口だし、解説者の口元は映されないし、字幕も付かないから、分からない。解説者がおもしろいと話題のときは音声認識アプリをパソコンの横に置いて観戦するときもあるけれど、とりあえず試合さえ見れれば良いと実況の内容を知るのは諦めてしまうことも多い。

この前のWBCの決勝戦は、本当はフルで観たかったけれども、時間的なこともあって試合結果を観てからおもしろそうな回だけを後追い再生で観戦した。それでも、充分おもしろかった。スポーツ観戦って、ネタバレしていても固唾を飲んで見守ってしまうよね。

まぁでもフルで見るわけでもないし、解説は本田△でもないしと、今回は実況を文字化することもなく眺めていたんだけれども。それでも、隣で一緒に観ていたキコエル人は時たま実況のやり取りにクスクスと笑いはじめる。

それで「なになに?」と尋ねては、実況の内容を復唱してもらった。隣にいる人は肉声だし、昔から声を聞き慣れているし、口の形も読み取り慣れているし、ちょっとばかり手話も交えてくれる。だから、その実況を復唱してもらうときは、その口元をじーっと眺める。

すると、その間にヒットが打たれてしまったり、盗塁されていたり、おもしろい展開が進んでいってしまう。LIVE配信だけだったらリプライ再生なんてできないから「見逃した……」と肩をガックリと落とすし、多分キコエル人も復唱どころじゃなかっただろうから、その復唱も中途半端でつまんなかったと思う。

でも、今回は後追い配信で試合を見ていた。だから、実況のおもしろさを教えてもらって大事なシーンを見逃しても、カーソルを少し左に動かしてもう一度良いシーンもしかとこの目で見届けて試合も楽しむことができた。

ワールドカップのときも、おもしろいプレーがあるとサッカー好きな人は、まるでVAR判定をする審判のように何度もリプライ再生をしていて「便利だなぁ」と思っていたけれども。おしゃべりをしていて相手の口を読んでいたら、大事なところを見逃してしまった!みたいなタイミングにも使えるとは。

【難聴者あるある】みたいな話をすると必ずと言っていいほど出てくる「おしゃべりしながらテレビを観られない」というネタも「おしゃべりもテレビも楽しみたいから、後追い配信使いがち」みたいなネタに変わる日がそう遠くない未来にくるんだろうな。

もちろん、ネットのスポーツ配信にも字幕が付いてくれたら万々歳なんだけどね。

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🌻さんまり🌻
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