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【SANKO MARKETING FOODS】グループ 2024年 総括 Vol.74

2024年 挑戦の一年をふりかえる

現在、海外店舗出店準備のためベトナム・ホーチミンと東京の両拠点で活動し、デュアルライフを送るT役員。遠く離れた地での事業開拓の責任者でありながら、国内事業の経営管理も担う多忙な日々の中で、この一年の会社の動きをどう捉え、どう今後を見据えているのか、T役員が特に注目するトピックスとともに2024年を総括していただきました。


着実な成長を見せるグループの新たな戦力

今年の当社は、グループの総力の高まりを感じる一年でした。中でもグループ子会社となった3社の成長は目を見張るものがありました。

仲卸から付加価値創造企業へと生まれ変わるSANKO海商

静岡・浜松のSANKO海商は大きな事業構造改革を行いました。旧態依然とした仲卸業から水産物の加工メーカーとして生き残る道を選び、もともと看板商品だったマグロ(加工・卸)の強みを活かし、マグロの加工業者として大きく舵を切りました。変わる勇気を持ってこれまでの自分たちを否定し、新たな方針を掲げて事業領域を転換する挑戦をしています。人はなかなか過去の成功体験から逃れることができないものですが、それをチーム全員で立ち向かっている。そんな仲間たちをとても誇りに思います。

現在、SANKO海商では、まぐろ餃子・まぐろコロッケ・まぐろメンチなど次々とオリジナル商品の開発を行い、おかげさまでいずれの商品もご好評をいただいています。こういった変化と挑戦の効果は徐々に現れ、年々着実に利益改善をしながら、仲卸の枠を超えた“付加価値創造企業”として邁進しています。

また、SANKO海商では2023年1月から地域の消費者の方へ直接販売する即売会を毎月開催しています。この即売会では今月(2024年12月)で24回目を迎えましたが、4時間の開催中は終始お客様の行列は絶えることなく、完売する商品が続出し、地域の皆様にしっかりと根差した商売に成長したことを感慨深くとらえました。BtoBビジネスのみだった仲卸がBtoCの小売店で着実に売り上げを伸ばしているこの成功例を、浜松から当社の各地の事業に広げていきたいと思っています。

国内・海外へ販路を拡大し始めた綜合食品

豊洲市場に7社しかない大卸のひとつである綜合食品は、おかげさまで進行期は売上・利益共に大幅に改善し、力強く成長を続けている状態です。伝統ある卸としてのプロフェッショナルな領域と、当社の持つ繋げる力の融合が大きく図られた1年だったと感じています。
 
昔ながらの卸業者はひとつ一つの商品に対する専門性が高く生産者との関係を深めることに長けている一方で、横へ広げる(新規に産地を開拓する)ことは難しい世界。そこで横へ広げることがSANKOの役割として、新たな販路開拓や産地との出会いをもたらすよう努めました。その結果のひとつとして、千葉県千葉市の千葉市地方卸売市場内に本社を構える株式会社津田食品との業務提携を行いました。また既存事業と同時に香港・ベトナム・北米など、海外への輸出事業も順調に伸びている状態です。ですので、来年に向けて綜合食品の既存メンバーとSANKOメンバーの融合と相乗効果がますます進められたらいいと思います。

清掃から店の締め作業までをワンストップで請け負うジーエス×サンヘイ

清掃・クリーニング・ベッドメイキングを行うジーエス。現代日本の社会構造自体は少子高齢化。15歳以上65歳未満の生産年齢人口、つまり”汗をかく”世代が極端に少なくなっているという現状があります。クリーニング事業は、コロナ禍以降ますます需要が増える一方で従事する人が減っているため、ニーズに対して供給が追いついていない市場です。
 
ジーエスは、長年にわたりビルメンテナンス業界で経験・実績を持つ株式会社サンヘイと融合することでベテランの清掃のノウハウを吸収しました。また、外食産業の中で培ってきた当社独自の経験値がありますので、両者のスキルが掛け合わされたことで唯一無二の清掃事業者となることができました。
 
今年立ち上げから3年目に入りましたが、専門性の高い業務も請け負うことができるため事業範囲をどんどん拡げている状態にあります。例えば、ジーエスのメンバーは飲食の店長を務めてきた社員たちが中心になっています。そのため、飲食店の厨房の細かな知識があり、清掃業務に加えて店の締め作業までをワンストップで請け負うことができるのです。こういった独自の経験値が強みとなり安定的な利益を確保できる会社として成長して来ています。

個性的なコンセプトを掲げた新業態の誕生

当社の飲食事業では新店舗のオープンが相次ぎ、攻めに転じた1年とも言えます。トライ&エラーを繰り返しながらも21店舗を新たに出店いたしました。その中でも、8月オープンの『マグロ*リスペクト』、9月オープンの『魚と野菜と土鍋ごはん 吉今』はこれまで当社にはなかった新たなコンセプトの店舗運営という挑戦をしています。

マグロ*リスペクト

『マグロ*リスペクト』はマグロ肉に特化し、モツなどの希少部位も含めてマグロをフルコースで食べられます。珍しいコンセプトなのでメディアからの注目も多く、おかげさまでテレビを見て来店してくださるお客様も多くいらっしゃいました。大宮駅(埼玉・大宮市)周辺エリアの中では決して立地がいいとは言えませんしコンセプトが際立っているので、ふらっと立ち寄っていただくお店というより目的来店型の店舗です。ですので、当店を目指して来ていただいたお客様おひとりお一人を大切にすることを意識した運営をしています。オープンから4ヶ月が経ちましたが、リピーターのお客様が増えてきていることを日々実感しています。

魚と野菜と土鍋ごはん 吉今

牛込柳町(東京・新宿区)にオープンした『魚と野菜と土鍋ごはん 吉今』では、静岡・伊豆から直送する当社の自社船団が獲った魚介とさまざまな産地の厳選食材を集め、和定食のアプローチで提供しています。「産地活性化プラットフォーマー」として日本全国の産地とダイレクトに繋がりを持つ当社だからこそできる実験的なお店ですので、各地のいい食材を味わいにぜひ足を運んでいただきたいですね。

来るべき人材不足の対策としてスタートした人財紹介事業

当社では今年8月から10月にかけて外国人技能実習制度を利用したベトナムからの技能実習生の受け入れを始めました。浜松の加工場で3名、沼津加工場に14名が水産加工業に従事してくださっています。また、飲食事業でも新しく始まった特定技能人財として50名以上の新しい仲間がSANKOグループの中で働き始めています。
 
水産加工場では、魚をひとつ一つ捌き海鮮丼の具材となる切り身を作っています。そこでは未利用魚・低利用魚と言われるものも原材料として使用しており、大きさや魚種もさまざまな規格外の魚を捌くのはとても手間がかかります。だからこそ低利用魚となっている背景があるのですが、そういった手間のかかる作業現場で彼らは非常に活躍してくれるのです。手先の器用な外国人財の方々に加工を担ってもらえることで、本来値段のつかないような魚が高い価値のある食材へと変えられます。
 
また、日本の加工技術の習得を目的に来ている彼らは非常に志が高く、向上心がありとても意欲的。そのため、国籍や言葉の壁を超えて共に働く大きな力となっており、将来のSANKOグループをあらゆる垣根をなくし誰もが活躍できる企業へと成長させてくれることを実感しています。
 
そして、外国人技能実習生や特定技能人財の受け入れは私どもが自分ごととして始めた事業でしたが、多くの企業が人材不足に悩む現状を目の当たりにしました。また、今後おそらく日本国内では外国人財の争奪戦も始まります。そこで、当社のノウハウを他社の人手不足のサポートにも生かしたいと考え、今年から外国人財の紹介事業を開始いたしました。現地ベトナムとの太いパイプを持つ当社では優秀な人財を集め供給する力を持っていますので、今後この事業を成長させていきたいと考えています。

東京とホーチミン 2拠点生活をふりかえる

今年4月から海外事業推進のためベトナム・ホーチミンにも自宅を構え、東京とホーチミンを行き来する2拠点生活を送っています。

ホーチミンでは現地メンバーと「本当の仲間」になることが、チームビルディングという観点からも最も大切なことだと考えています。ですので、まず現地化の第一歩として通勤をバイクにしました。すると、わたしの通勤姿を見た仲間たちは、「おまえはベトナム人みたいだな!」とそれだけでとても喜んでくれます。またベトナム人のほとんどはビールと乾杯が大好きです。高度経済成長期の日本にいるような錯覚を覚えるほど一気飲みの文化があります。そこでは基本的に断らず徹底的に飲むことにしています(笑)。いま、ベトナム語の勉強も始めています。

ベトナムでは、レストランの物件が決まりいよいよ出店に向けて動き出しています。急激に経済成長をしているベトナムの市場に対して、ハイエンドな顧客を対象にした日本食レストランを、来年の夏頃にオープンする予定でおります。こちらについては、正式に発表できるようになりましたら然るべきタイミングでお知らせいたしますので、ぜひ楽しみにしていてください。


ライター:ナビ子


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