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ケガの功名 子どもの成長 母の心境

1週間ほど、体調を崩していました。


母という中心人物が倒れた時、その周りをくるくると回る夫や子ども達の様子があまりにもおかしくて、これはもう絶対に残しておきたいと思いました。


毎週水曜日、小学1年生の二男はサッカー教室に通っています。毎週車で送迎し、練習中はコートの横でその様子を見るのがお決まり。

しかし、先週はそれが無理そうでした。本人は元気だけど、私が連れていけない……。休ませようか逡巡していると、二男が学校から帰ってきました。


「今日はオレ、バスで行く!」

「え?バス?1人で乗ったことないじゃん。」

「うん、でも同じサッカーチームの友達が今日は一緒にバスで行こうって誘ってくれた!」


もしもバスで行ってくれたら、ものすごく助かります。でもバスに1人で乗せたことのない二男を、お友達に任せて乗せていいものか……?とても悩みました。

「大丈夫だから!お金入れて、降りる場所は友達が分かってるから!そしたらママ、寝てられるでしょ?

息子よ……。涙
その力強い言葉に、私は息子を信じることにしました。


お金を入れる場所、バスの中でしてはいけないこと、降りるバス停、降りてからのこと、特に車に気をつけることをしっかりと伝えて息子を送り出します。

バス停に向かう二男の背中が頼もしくて、そしてワクワクが伝わってきて、背番号が光って見えました。

バス停ではお友達とそのお母さんが待っていてくださり、バスが出発するまで見送ってくれました。(LINEで連絡をくれました)


「オレ来週からもずっとバスで行く!1人でも余裕だぜ!」

帰ってきてからも二男はバスに乗れたことが自信に繋がったのか、えっへんという音が聞こえそうなくらいのドヤ顔でこちらに笑顔を見せます。

私が思うよりずっと、息子はしっかりしてきたのかもしれません。



残念ながら、そんな二男も熱を出しました。
土曜日のことです。

朝から何も食べられず、熱は39度。
はぁはぁと辛そうな呼吸をしながら布団で横になっていました。

土曜日は長男の習い事が色々とあるのでそちらは夫に任せます。「帰りに買い物してくるから必要なものがあったらLINEして」と言うので、うなずいて夫と長男を送り出しました。

「何か食べられそう?」
二男は首を横に振ります。

「アクエリアスは?」
「……飲みたい。」

アクエリアスなら飲める。という二男のために、夫にLINEを送りました。

「パパがアクエリアス買ってきてくれるから。もうちょっと待っててね。」

そう言いながら2人でハァハァゼェゼェ夫の帰りを待ちました。


しばらくして帰宅した夫の手にはビニール袋2つ分の買い物袋。あぁよかった。これで二男にアクエリアスを飲ませてあげられる。

「二男、パパ帰ってきたよ。アクエリアス今飲める?」

「ハァハァ……飲む……。」

私は夫から受け取ったビニール袋の中を確認します。

「アクエリアスどこかな?」

「あー、買えなかった。」


「え?」


「重くて買えなかった。」


「……え?」


そんなバカな。
私、アクエリアスお願いしましたよね?


「ゼリーは買ったけど。」


いや、じゃなくてアクエリアス……。じゃあ逆に聞くけどこの2つ分のビニール袋、何買ったの?と責めたい気持ちを押し殺して、夫の説明を聞きます。

「牛乳とゼリーと納豆と……。あと焼肉セット」
焼肉セット!やきにく……あーはいはい。焼肉セットね。トレイが丸くてバカデカくて、家で焼肉楽しめるセットね。ふぅん。


「あと、これコロッケ
あー!!これはスーパーじゃなくて一足伸ばしたところにあるお肉屋さんの美味しいコロッケ!へぇぇぇぇ。


「それから、ベビーカーの荷物掛け壊れてたから」


あー確かに壊れてたよねぇ。助かるぅ。


ってアクエリアスゥゥ!!!!!!


今そんな優しさ求めてない!
アクエリアスだよ!アクエリアス1本買ってくれたらそれで良かったんだよ!!コロッケ食べる元気ないよ!!誰がワイワイ焼肉するんだよ!!2人病人だよ!!


意味が分かりません。
思考回路が理解不能。

アクエリアスとゼリー買ってきて。

ゼリー買ったよ。

って普通アクエリアス買ってると思うじゃないですか。ゼリー(は)買ったよ。って意味なの?え?じゃあゼリーは頼まず「アクエリアスだけ買ってきて」ってお願いすればよかったの?え?


そんな訳で私は二男に言いました。
気分はもうフランダースの犬。

「パトラッシュ……ごめんよ。アクエリアスはなかったんだ。ごめんよ。僕もう、疲れちゃったんだ。」


と、そんなやりとりを知ってか知らずか、いつの間にか枕元にはアクエリアスが2本用意されておりました。


夫はちょっと抜けてるけど優しいのよ。
抜けてるっていうかズレてるけど。



そして長男。

「ママの具合が悪い時は自分の出番!」と張り切るタイプの子だったら、その気持ちに任せたと思います。

でも長男はそういうタイプじゃない。「家族だから無償で奉仕すべき」という考えに彼は賛同していません。

だから10歳の長男には特別なお願いをしました。

「本当はヘルパーさんを雇いたいと思っている。だけど急には呼べないし、風邪をうつしてしまうかもしれない。だから、私はヘルパーさんに支払うためのお金を君に払う。君にできることはお願いしたい。」

結果的に長男は、毎日のお風呂掃除、洗濯、三男の入浴介助、ご飯作りに至るまで、彼のできることは全てしてくれました。私の指示を待たずして。

ししゃもを焼いてくれた。
お皿のセレクトが独特。


「ポケモンカードの新しいパックを買う!」これを目標に、長男は頑張りました。YouTubeも見まくってたけど、服の畳み方雑だけど、本当によく頑張ってくれました。



ケガの巧妙とはよく言ったもので、普段動ける人が動けなくなると家族が一丸となって?てんやわんやする姿はとても面白かったです。

子ども達の成長が嬉しい。

思い出すと笑えてくる。

そんな1週間でした。


※三男はよく分かっていないので、いつも通り母にベッタリでした。ベッタリなのに、マイコプラズマは発症しませんでした。すごい。



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本田すのうl書いて読む主婦
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