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なのか展備忘録-Ⅺ 「創造的なゲーム、ゲーム的な創造」

僕は会期の終わり近くに遊びに行ったので、ここのブースはだいぶ人で埋め尽くされていました。閑散としている初期の頃もすこし見てみたかったなあと、今となっては思います。

顔の見えないチーム戦

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これは、高畑慧(コロコロ堂)様から出展された「創造的なゲーム、ゲーム的な創造」というタイトルのゲーム。黒と茶の2チームに分かれて、自分のチームの得点が高くなるように木片とキャラクターを配置していきます。

置き方と得点の基準は最初から決められています。

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撮り方が良くなくて見辛いのが申し訳ないですが、まとめると

ブロックと人を1個ずつ取る
ルールに従って配置する
特定の条件下でポイントが発生する

ということ。僕が参加した時点では、既に大量のブロックが置かれている状態でした。ここから勝ちそうな方を見極めるのは労苦を要するなぁと思ったので、シンプルに好きな方の色(黒)を選んで空いてるところに配置してきました。

同じチームで参加しているプレイヤーが誰なのかを知ることはできませんが、知らないプレイヤー同士が協力してポイントが発生する配置を作ろうとしているのを見るとなんだか暖かい気持ちになりますね。

集計結果

ゲームとしての集計結果は、高畑様のTwitterから発表されています。

残念負けていた。

とんでもない大差がついてるわけじゃないのが面白いなと感じました。「結果の発表が会期の終了後」であり、かつ「勝ち負けに付随する物がない」という条件下でのゲームだったのが理由なのかな。負けてる方応援したい気持ちが働く設定。

とはいえ盤面だけで趨勢を見極めるのは相当難しいと思うので、この結果は興味深いですね。来館者の目測がだいぶ正確であると見るか、そうなるように設計されていたと見るか。そんな視点で見てみると、素材置き場にキャラクターを互い違いの列で置いて順番で取っていくと均等になるようにされている等、工夫もたくさん散りばめられていたように感じます。

作品としての側面


ところでこのゲームは、展示物として成長していくという側面も持っていたのでした。これすごく面白くて、来館したユーザーたちが全員作品を手掛けた集団の一員になるということ。「チュンバクラム」なんかもそうかも。

ユーザー同士のインタラクションによって完成するゲームであるということが、提供する側とされる側という線引きをほんの少し曖昧にする。作品から影響を受けるだけの存在ではなく、作品に手を加えて次に見にくる人に影響を与える側の存在になれるという立場の転換が面白い。

「高い場所に立つと点数が高くなる」「背もたれのある椅子に座ると得点が入る」などの配置ルールがあるのも、既に置かれた物に意味を持たせるための仕掛けだと見ることができそうです。

タイムラプスで見てえ……

これはゲームなのか?

とても興味深い、ゲームとしての試みでした。
プレイヤーが関われるのは僅か一手番のみ。自分の前に配置した無数の人たちの意図を読み取って配置し、その考えを後から来る無数のプレイヤーが汲み取ってくれる。そんな無言のチームプレイがそこには確かに存在していました。

今回の「なのか展」には、こういった「同じ空間を使うけれど時間をずらす」「後に来るプレイヤーに影響を与える」仕組みのゲームが数あるようにも感じます。間接的な意思共有は難しくて楽しい。




他の作品についても書いていますので、時間が許す方はご一読ください。
今後も順次増えていく予定です。


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りっと
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