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やる気のない生徒をなぜ構うのか

ふと思い出したことがある。
専門学校へ通っていた時のことである。

専門学校は、高校卒業してすぐ入学する人もいれば、社会人を経験して入学する人もいる。
様々な年代の人が通う学校である。

専門学校の多くは、資格取得を目指している。
看護師や調理師などの国家資格だったり、もしくは民間の資格を取ったり、スキルやテクニックなどの技能を学ぶ。

小中高校は満遍なく様々なことを学ぶが、専門学校は特化したことを学ぶ。
看護師だったら医療系のこと、美容師なら髪や美容のこと、調理師なら料理や衛生のことといった感じだ。
なので、その分野について興味がないと非常に辛い学生生活を送ることになる。


看護師の資格をとって、将来安泰な生活をしたい!と思って入学しても、医療の知識・患者さんとのコミュニケーション・その他技能についての授業が主なので、それらに興味を持てないとキツイ。
卒業はおろか、進級すらできなかったりする。
興味がないことを数年間も学ぶなんて苦行でしかない。


中学や高校みたいに成績が足りなくてもオマケして卒業させてくれるなんて事はない。
専門職は程度はあれ、人の命や健康に関わること、取り扱いが危険な物もある。
生半可なスキルの人間に資格は与えられないのだ。


専門学校にいた時、少なからずそういうやる気のない生徒はいた。多くは高校卒業したての若い子たちだ。

入学した理由は、
「資格が取れるから」
「大学よりも専門学校でスキルをつけろと言われたから」
「なんとなく」

自らの意思で入学したはずなのに、勉強内容に興味が持てないので成績は伸びず、小テストでも赤点ばかり。
一年生時の夏休みに入る前には、勉強にやる気がある子と無い子の差が大きくなっていった。

先生も成績が伸びない生徒がいることは困るので、熱心に放課後に教えたり、個別面談をしたりと手を焼いていた。
とはいえ、それでもやる気のない生徒は学校にも来ないし、来ても授業中は寝ている。

うーん、いったい何のために専門学校へ入ったのだろう。

専門職に憧れがあるのはわかる。
「なんだか楽しそう」
「自分もやってみたい」
「資格を取れれば就職に困ることもない」
そういう気持ちで入学したんだろう。わかる。
私もそうだったから。

でも実際に資格や技術を身につけるには、それなりの努力が必要だ。
その努力を無くして専門職にはなれない。


先生方がやる気のない生徒に熱心に教えているのをみて、なんだかなぁと思った。
勉強ができる子や自習できる子は「この人なら大丈夫だろう」と思われ、先生方もそこまで構わない。

逆なんじゃないかな。

やる気のある生徒、意志がある生徒、将来の展望がある生徒、そういった生徒にもっと話をしたりスキルを教えたりすることに時間を割くべきなのではと思った。
まあ、そういう生徒は自ら先生に質問しに行くのだが。

先生方も、クラスの成績が悪いとボーナスや昇給に響くのかもしれない。だからクラス全体の成績を底上げしようとしてたのかも。
辞められると学費が入らないから学校の売上にも影響するものね。
と、勝手に想像している。


それでやる気のない成績の悪い生徒はどうなったかというと、みんな辞めてしまった。
だろうね。
専門学校は勉強しないでどうにかなる場所ではない。
先生方が気を回したりアレコレ手を尽くしていたが、結局辞めちゃうんだもんなー

小中などの義務教育ならやる気のない生徒に構うのはわかるけど、成人しかいない専門学校ならそこまでする必要ないのでは。

もういい歳の大人なんだから、自らの意思で輝こうと思わない人は早々に見切りをつけるべきだと思った。
私が先生ならそうする。

先生たちも本当はとっとと見切りをつけたかったのかもしれない。
どーしてやる気のない奴にワザワザ教える必要があるんだ?と思ってる可能性もある。
もしくはそういう生徒こそ伸び代があって面白い!とか思ってるのかしら。
私にはわからん。

人間、何かしら興味がもてる分野がある。
それを見つけられた人は幸せだ。
仕事でも趣味でもボランティアでも。
そういったものに熱中してるだけで、自分が成長するし世界が広がる。

学校を退学した生徒たちが今何をしているのか知らないが、何かしら熱意を持って取り組めるものを見つけているといいな。

どうせ生きていくのなら、ついつい興味を持ってしまうことに携わりたいよね。

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