漠然と農業を始めたい人に向けて

多くの自治体が様々な謳い文句で、新規就農者を募集しているが、現実はどうだろうか。実際の自分の体験に基づいて記事にしてみたいと思う。

何も分からないけれども農業を始めてみたいという漠然としたあなたの大切な思いを、一口に農業とは言ってもそれは多種多様であり、例えば稲作(米)なのかハウスでトマトなのか、露地でナスなのかネギなのかタマネギなのか果樹なのか、施設園芸で花なのかはたまた酪農なのか、有機なのか自然栽培不耕起なのか、栽培品目や栽培方法は無数であり、その中で自分がどうしたいのか何がしたいのかを、もう少し具体的なイメージに発展させていく必要が有ります。
それは、例えば農業未経験者が机に座って考えて居ても、絶対に正解に辿り着けるものでは無く、もちろんやたら無鉄砲にとは行きませんが、ある程度の検討を重ねて、先ずはそこに飛び込み実際に体験して、嗚呼これは想像と違ったな、自分には向いてないな、いやこれは会社がクソなんちゃうか、などと、そこに辿り着く迄には、何度もチャレンジを繰り返す必要があるのではと自分は思います。

役所の方でも、例えば大学の農学部でトマトの水耕栽培を学びましたであるとか、どこどこのブドウ園で何年間働きましたなどと、実績や経験も無い人間に何百万何千万と言うお金を融資するなどとても出来ません。
助成を求めたいのならば、あちら側の進めたい方向性とも自分の計画をマッチさせる必要があります。時代や世間のニーズにも合っていると相手方が認識して推し進めようという施策に、それが誤解であろうと無かろうと、合わせる必要があるのはこちら側です。担当者がスケベなおっさんならば、かわいい女のコを装う必要もあるかもしれません。
求められているのは、漠然とした農業という大きな括りから、もっと具体的な夢や目標に落とし込む作業です。そうでなければ誰もあなたの力にはなれません。そしてそれは、結構どころかとても大変な作業です。自分は3年かかってようやく進みたい方向が見えて来ました。

実際農業を営む会社にしたって農家さんにしたって、別に大して立派でも無い人たちがほとんどで、それは一般社会と同じです。むしろ農家の長男坊でぬくぬくと育った世間を知らない雇い主の方が多いかもしれません。人の使い方やら仕事の段取りから、こんなやり方は他では絶対に通用しないよみたいなことが、平気でまかり通る世界です。
ですから天職とも言える農業に巡り会う為には、無数のトライアンドエラーを繰り返す必要が有り、また雇用側は、
自分たちがロクでもない法人だから若者たちが直ぐに辞めていくのだという現実を、農業がしたいあるいは田舎暮らしがしたいなどと夢見る若者問題へとスリ替えるのは止めにして、職場の環境改善に努めて頂きたいかとも考えマス。

でもそれは今回の本題では無く、

実際に耕作する畑も何も持たない人間が、畑を借りて新規就農するまでの、とんでもない障壁の高さです。

レンタルビデオ屋さんでエッチなDVDを借りるのとも、不動産屋で家を借りるのとも訳が違います。簡単にこの畑借りられますよーとか貸しますよーとか、どの畑にしようかなーとか、そういう世界では無い訳です。役所の人に相談したところで、この畑どうですかぁ、あぁそうですか、じゃあこっちの畑はどうですかぁ、などとは成らんワケです。
これは実際に自分が体験したことですが、説明会では「この街で農業をしたら一年で独立できますよ」などと煽てていたのと同じ職員さんが、役場の窓口では「何処の馬の骨かも分からないあなたみたいな人に、畑を貸す農家はこの街に一軒もありませんよ。」などと平気で追い払って来るのでたまげたものです。そんなに簡単に畑が借りられるわけがないでしょ頭おかしいんじゃないのとばかりに、半分クレーマー扱いです。
何処かの街のコミュニティ雑誌で、介護の仕事を何年かして、ある高齢者と仲良くなり、その畑を借りてエゴマ畑をすることになったと、農業を始めた若者の美談風な記事を目にしました。

いったい何が言いたいのかと言うと、

もしあなたがその街で農業をしたい、畑を借りたいと思ったとしてもその為には、

そこで畑が借りられるかどうかも分からないのに、そこに何年も住み続けて、地域の人たちの信頼を勝ち得たり、はたまた偶然のラッキーな出会いに期待して、其処カシコをウロウロするしか手段は無い訳です。極端な話、その目的(畑仕事)をするためには、その街で何年も介護の仕事をする必要がある訳です。そうしないと、他人の畑なんか借りられない訳です。逆の人の立場や(畑を貸したくない側の)気持ちもよく分かります。

そうして無事に目出度く借りられる畑に出会えたとしても、更なる障壁が立ちはだかります。

それが農業委員会という得体のしれない委員会です。これは昔でいう座とかギルドみたいなものではないでしょうか。
この地域ごとに存在する謎の委員会が、どうやって委員長を決めているのか、どうやったら委員になれるのか、自分にはまったく分かりませんが、この人たちがウンと言わない限り、あなたが独立就農することは出来ません。やってみなければ分かりませんでは困りますので事業計画書を出して下さいだの、なんやかや理由をつけて、あなたの新規参入を拒もうと企てて来ます。でもそれは一般社会でも同じで、銀行だってお金を貸そうと思ったら、当然あれやこれやって話にもなります。ナメてっと痛い目に遭うぞってなもんで、

さらに云えば多くの自治体では5反からなんです。広すぎます。最低5反以上の広さからでないと、職業としての農業は始められないのです。1反ぐらいの面積から副業的に始めることは、ほぼ不可能と言っても良いでしょう。このルールはまったく時代に寄り添っていません。小さく農業を始めたい人の参入を、強く拒んでいます。

現実は厳しい。
農業やりたいって手を挙げたって、
誰も畑を貸してはくれない。
耕作放棄地が溢れ出す。
だが誰も畑は借りられない。
でも諦めたらそこで試合終了ですよ。
安西先生…

ちょっと自分でも何が言いたいのか解らなくなってきましたので、この記事は途中ですけどこれで終わります。また加筆修正もするかとは思います。おわり

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